郡山歯科医師会学術研修会〜辻本先生と中村先生の歯内療法講演会
先週末に郡山ビューホテルにおいて、郡山歯科医師会の学術研修会が開催されました。
講師は日本大学松戸歯学部の辻本泰久先生と辻本先生の元で研鑽を積まれている当郡山歯科医師会会員の中村慎介先生です。
辻本先生は歯内療法という歯根の治療が専門です。
また、辻本先生は日本顕微鏡学会の重鎮で先駆者でもあります。私も何度も講演を聴きに行った事もある有名人。ただ、今回の歯科医師会のオーダーは、顕微鏡ありきの歯内療法(歯の根の治療)では無く、一般的な歯内療法の講義というものです。
歯科用顕微鏡というのは、まだまだ一般的では無く所有している歯科医院が少ないために、顕微鏡のみの研修になってしまうと、会員全般の事を考えなければ行けない学術としては少々ハードルが高くなってしまうからです(苦笑)。
顕微鏡の先生に顕微鏡以外の歯内療法をいう難題でしたが、辻本先生は見事に、軽々とクリアーしてくれました。
やはり、顕微鏡を使おうが、使わないだろうが、基本は一緒って事なんですね。
辻本先生曰く、歯内療法の鍵は、やはり歯牙解剖を熟知し、根管内のシャープニング(歯の根の根管にへばりついている感染物の徹底的な除去)、クリーニング(根管内の徹底的な洗浄)、オプチュレーション(根管内へ緊密な根に代わる材料・薬の充填)ということに尽きると言うことみたいです。
その技術を顕微鏡を使うことで、自分の肉眼で確認しつつ出来るので精度がかなり上がると言うことです。
そりゃそうです。根管内というブラインド(見えない場所)を手指の感覚だけで行ってきた従来の歯内療法を自分の目で確認しながら出来るのですから。真っ暗な部屋を掃除するのか、明かりの付いた部屋で掃除をするのかって言ったら分かりやすいかな。
しかし、顕微鏡というのを修得するのは一筋縄ではいきません。残念ながら。
顕微鏡を購入して、直ぐに使えると言うわけでは無いのです。
私も自分の手足の様にはまだ使えません。いつもの治療の倍の時間が掛かります。ですから、現在は難しい治療にしか使っていません(勿体ないけどね)。
ただ、いち早く顕微鏡を導入して、早く臨床応用した方がよいと思うのは、私も辻本先生に賛同します。
やはり、治療の世界がガラッと代わるし、治療レベルが一段階、いや三段階は上がります。
修得するのにも時間が掛かるから、早めの導入がお奨めです。
今の顕微鏡はLEDライトが標準の場合が多いから、レンズのレベルが低くても、かなり明るいので安い顕微鏡でも十分だと思います。
私も二台目、三台目を導入するとしたら、今持っている顕微鏡よりも安い物を求めるかもしれません(逆に高いものを買うかもしれないけど)。
ただ、今回の辻本先生の講演は今後の歯内療法の可能性を広げてくれるには十分な素晴らしいものでした。
辻本先生のお弟子さんの中村慎介会員の発表は、辻本先生とは真逆の顕微鏡治療のオンパレード。
もう、ついて行けないレベルの治療の症例発表でしたので、研修というよりは、「良い物を診せて貰いました」って感じ(笑)。
郡山歯科医師会の学術委員としては、誰もが毎日行っている根管治療という親しみやすい科目で、ハイレベルの手技を学べた良い研修だったと思います。
かなり学べました(笑)
写真は中村先生よりお借りいたしました(中村先生の顔が半分しか写っていなかったので、カットさせていただきました。中村先生すいません)
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