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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
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2017年12月22日 (金)

インプラントの危険性

インプラントに関してネガティブな記事があまり無いので、こんな事を書くのは気が引けるのですが、一応インプラントを希望されたり、疑問に思われたりしている患者さんもいるかもしれないので、“あくまで私個人の考え”で書いてみたいと思います。
昨日のブログでも書きましたが、インプラントと言うのは、欠損状態の歯列の骨にチタン製のネジを埋め込んで、あたかも自分の本来の歯の様に噛める人工歯根の事です。
お恥ずかしい話しなのですが、私自身にもインプラントが前歯に2本入っています。
私の場合は、怪我が原因で歯の根の治療をして、それが原因で歯に破折線が入り、そこから感染を起こして抜歯になってしまったのです。抜歯の原因が怪我なので、“インプラントを選択しても問題ない”と判断致しました。
なぜ、こんな事を書いたかというと、インプラントは万能の欠損治療では決して無いからなんです。
確かに、今のインプラントはインプラント体の表面性状が大変優れているので、骨にしっかりと生着してくれます(オッセオインテグレーションを獲得といいます)。しかし問題は昨日も書いた噛み合わせです。
自分の歯ですら耐えることの出来なかった部位に人工的なインプラントを埋入して、果たして保つのかという問題があります。先ほど私が自分のインプラントを選択しても問題ないと判断したのは、怪我で歯を喪失したためで、噛み合わせが原因ではないからなんです。
ですから、私はインプラントの手術を希望される患者さんには十分な問診と口腔内状況を確認し、問題がある場合は説明を行い、口腔内の改善が必要な場合は、なぜ必要なのかを説明し、噛み合わせの治療をしてからインプラントの手術を行っています。
また、噛み合わせの問題が無くても、歯周病の状態が悪い場合は問題があります。
その様な時は衛生士さんと患者さんと私の3人で話し合い、口腔内の改善を図ります。
もし、歯周病の改善が図れない場合は噛み合わせの問題がなくても、インプラントは断念した方が良いかもしれません(生活習慣でどうしても歯が磨けない患者さんの事です。。。ちょっと言い方が厳しいですね。すいません)。
噛み合わせの治療がなかなか事情があって受けられないけど、インプラント治療をご希望の場合は、スプリントといわれるマウスピースを就寝時に装着してもらい、インプラントだけでなく、口腔内全体の負荷が最小になるように指導させて頂きます。
なぜ、こんなことをこのブログに書くのかと言えば、他院にてインプラント治療を受けたけど、直ぐに歯の部分が壊れてしまう、歯磨きをしていたら、一緒にインプラントも取れてしまった等々、何度も何度も作り直しても駄目なので一度診て貰えないかという患者さんが結構多いのです。
インプラントの場合、適応症として合致(全ての問題が解決すれば)すればとても素晴らしい治療法です。
私は、インプラントを学んでいたとき、「インプラントは歯の喪失を食い止める杭(くい)にならなければならない」と教わりました。
インプラントが上手くいかなかった場合の次の一手はとても困難です。
その辺を良く考慮して、治療に望む必要があります。
決して安い治療ではないので。

Igari