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2009年11月 6日 (金)

脳の活性化、メタボ予防

本日は、福島民報新聞 平成21年11月1日分の『健康』掲載分よりお届けいたします。

◇脳を活性化、メタボ予防~咀嚼の効用解明進む~

よく噛むことは健康のためによいという。メタボリック症候群の予防や認知症対策に効果があるという研究結果もでるなど、「咀嚼」の効用の解析は進みつつある。

研究者は「よく噛むことは手間もお金もかからない健康法だ」と指摘している。

東京大学医学部の百瀬敏光准教授らのグループは、咀嚼によって脳に起こる変化を調べるために、四十歳以下の十二人にガムを噛んでもらい、脳の血流を陽電子断層撮影(PET)で分析しました。

するとガムをかみ続けている間、顔面などの運動と感覚を司る大脳の「運度感覚領」などで、血流量が8~28%増えていることがわかった。血流量の増加は脳の神経細胞を刺激し、脳の活性化につながるという。

神奈川大学の小野実教授は、高齢者にガムを噛んでもらい、磁気共鳴画像装置(MRI)で脳を観察。その結果、大脳の右側にある「前頭前野」が活性化していることがわかった。

前頭前野は、思想や計画立案、学習など最も知的で論理的な行為を司っていることから、咀嚼は高齢者の記憶や認知機能の維持と向上に役立っているという。

また、東京歯科大学などのグループの研究では、よく噛んで食べると、少ない量で満腹感が得られるため、メタボリック症候群の予防に効果があることがわかった。

日本チューイングガム協会は、こうした研究結果を紹介したDVD「咀嚼科学で解明する健康法」を制作。同協会は「インターネットで五人を調査したところ、ほぼ全員が『噛むことは健康によい』と回答しており、その認識は高まっている」としている。

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