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2009年11月27日 (金)

口の中が電池になっている

本日は、福岡博史先生の著書『歯と口を治せば、不調は治る!』よりお届けいたします。

◇口の中が電池になっている

口の中に電流が発生することをご存じでしょうか?

これは事実です。口腔内に2種類以上の金属が存在している場合に、唾液を介在して起こる化学反応なのです。

唾液は、97%の水と、ナトリウムかカリウム、カルシウムなどの無機質、ムチンなどの有機物で組成されています。

この唾液が電解質溶液となって、2種類の金属のうち、イオン化しやすい金属が溶け出し、腐食が起こるのです。溶け出した金属はマイナスに帯電するので、他の金属との間に電位差が生じるため、口腔内に微電流が流れるというわけです。

また、こうした腐食には、金属が原因のほかにも、口腔内バクテリアによる「微生物腐食」などもあります。もちろんどれも非常に小さい反応で、本人は、感じることはありません。こうしたさまざまな腐食によって溶け出した金属が、体内に取り込まれます。

その多くは体外に排出されますが、その量が多かったりその期間が長かったりすれば、その一部が残留して、体の中でさまざまな悪さをすることになるのです。

◇金属が及ぼす悪影響と対策

有害金属がからだに及ぼす影響として知られるものには、金属アレルギー、リウマチ、アルツハイマー、自閉症などがあると言われています。

金属アレルギーは、湿疹、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎、口唇炎、舌炎などがあげられます。いずれも対象の金属がイオン化することでアレルゲンとなります。

たとえば、青果店やスーパーに多いのですが、レタスをさわると強度の皮膚炎を起こすレタスアレルギーの方がいます。ところが、彼らがレタスを食べてもなにもおこりません。なぜなら、レタスに含まれるアレルゲンは元素(それ以上分解すると、ものの性質を失う単位)ではないので、消化液で分解されると別の炭化水素などになり、もはやアレルゲンではなくなってしまうのです。

ところが、金属は元素ですから、アレルギーを起こしやすいイオン化が起こったものが口腔粘膜に吸収されていったん体内に入ってしまうと、しっかりとアレルギーを引き起こしてしまうのです。

このように因果関係がはっきりしている金属アレルギーに比べて、リウマチなどの他の疾患は、原因不明のものが多く、かつ難治性のもの、治療が困難なものが多いことにお気づきのはずです。それでも、有害金属が原因の一つとして充分に考えられるという意味では多くの信頼できるデータができあがっているのです。

歯科金属のアマルガムが、有害金属の筆頭としてあげられたのには、水銀という明らかに体によくない金属が含まれているからでした。

確かに水銀は、水銀中毒という言葉があるように、いったん体内に入ると、タンパク質と結合して、血液に乗って体中を巡ります。それがやがて脳に到達して中枢神経に蓄積されていくことで、知覚障害・運動障害をなどを引き起こします。急激に蓄積された場合は、脳が萎縮することもあります。

もちろんこれは、長年かつ臨界点を超えたという結果ではありますが、だからこそ、「気がつかぬうちに進み、気がついたときには遅い」という、歯周病に似た特徴を持ち、歯周病以上に恐ろしい状況が起こりえるわけです。

水銀だけでなくこうした金属は、本来地球上のあちこちに存在するものですから、衣食住の環境そのものに点在し、口、皮膚などからも知らない間に入りこんでいるものです。だからこそ、わかっているものは極力取り除き、早い段階で排除していく必要があるでしょう。

現在、自分の体にどのような有害金属(に代表される有害物質)がたまっているかは、髪や爪を採取して、取り込まれている金属の種類や量を分析することが可能です。また歯科領域でも、口腔内の電圧を測る機械で、部分的に高い歯=異常を示している歯を示している歯を調べることも出来ます。

そういう意味において、歯科材料からの有害金属の侵入は、他の要因(衣食住からの侵入)にくらべて判断しやすく、なおかつ、害を及ぼしているものが特定できれば、すぐにそれを排除して安全なものに詰め替えればいいいのですから、自分のからだのリスク管理として、口腔ケア=オーラルエコは、かなり安易でかつ効果の高いものだということがわかっていただけると思います。

ただし、「昔詰めた金属は危険だから、すぐにとってもらいましょう」ということではありません。たとえば飲料物や化粧品などから金属を取り込んでいる可能性もあります。同じ金属でも、溶け出す量や影響を及ぼす量は人によって違うからです。ここでも免疫力の違いが大きく関わってくるのです。

参考文献 歯と口を治せば、不調は治る!福岡博史著 主婦と生活社  

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