指しゃぶり、どうしたらやめられるの?
本日は、田中英一先生、佐々木洋先生他の著書『すこやかな口 元気な子ども』よりお届けいたします。
◇3~4歳までは様子をみましょう。
指しゃぶりは哺乳に深く関係する行動で、哺乳の発達過程から指しゃぶり・おしゃぶりについてまとめました。次のようになります。
①母体内で胎児が行う指しゃぶりは、乳汁を取り込む機能〈吸啜)の発達に深く関わっている
②新生児に不可欠な「哺乳」は反射的な不随運動である。
③月齢2,3ヶ月から反射的な哺乳は弱まり、自律的な吸啜(自律哺乳)が可能になり、遊び飲み・ながら飲みが始まる
④遊び飲みは栄養摂取が目的でない吸啜で、母親との一体感の強化や不安解消の意味をもつ
⑤この延長上に「指しゃぶり」(非栄養的吸啜習慣)がある。
⑥非栄養習慣でも安心感や幸福感が得られる
⑦離乳に不可欠な原始反射の消失や感覚受容の拡大には、指しゃぶりやおもちゃなめの刺激が関与する。
⑧高等霊長類の吸啜行動は3~5歳頃まではみられる。
また赤ちゃんの指しゃぶりを観察してみると、はじめは指の区別なく口にいれていたのが、次第にお気に入りの指が決まっていく様子が見られます。
これは、鋭敏な口の中で指を察知しながら、個々の指の運動機能が分化すると、直立二足歩行の人に特有な、物〈道具)を把持することや、人差し指を使って対象を指示することmできるよになっていきます。また、指で数えるにも5本の指の分化は不可欠です。
このように吸啜習癖は哺乳や離乳あるいは指の感覚・運動機能分化の過程と深い関係にあり、乳幼児期の指しゃぶりを心配する必要はないのです。
子どもはどんどん発育していきます。。さまざまな活動からの刺激や満足感より、指しゃぶり(吸啜)への渇望は次第に減っていき、幼児期後半には社会性のめばえから、大半の子どもは指しゃぶりを自発的にやめていくことになります。
参考文献 すこやかな口 元気な子ども 田中英一、佐々木洋他著 医歯薬出版株式会社
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