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2009年3月 8日 (日)

他者を見る目、自分を見る目(バイアス)

本日は、デンタルトリビューン紙2009年2月号の中から、群馬大学非常勤講師 高橋美保先生のコラム『歯科のココロ 患者のココロ』よりお届けいたします。

◇人の行動の理由はどこにある

たびたび遅刻してくる同僚を、「あの人は時間にルーズだから」と思うことはないだろうか。私たちは他者の「行動」の理由を、その人の「性格」として判断しがちである。

ところがその同僚が、毎朝子どもを保育園に送り届けてから出勤しているとしったらどうだろう。時間にルーズというより、「小さい子どもがいるからだ」と考え直すだろうか。

一般に人の行動の原因を考えるとき、その人自身の資質や性格に基づくもの(内的要因)、または、その人自身以外の周囲の状況に基づくもの(外的要因)に理由づけて(=帰属して)いる。冒頭の例では、「時間にルーズだから」と考えるのが内的要因への帰属であり、「小さな子どものため」と考えるのが外的要因への帰属である。

◇他者の行動は「性格のせい」?

しかし、実は私たちは他者の行動の原因を必要以上に内的要因に帰属しやすいことが心理学の多くの実験で示されている。これを社会心理学では「基本的帰属のエラー」と呼ぶ。

たとえば、他者の書いたエッセイを読み、その人の本当の態度を推測するという実験がある。大学生を被験者とし、ある政治家をどの程度支持しているかを推測させた。

このとき、被験者を2群に分け、一方には「書き手は賛成(反対)意見を強制的に書かされた」と知らせた。

しかし、強制的に書かせたという状況(=外的要因)は考慮されず、「賛成(反対)意見を書いたのは、その政治家を支持している(していない)からだろう」と、書き手の態度(=内的要因)に帰属されたのである。

つまり、遅刻しがちな同僚に小さな子どもがいると知っていても、「時間にルーズな人だから」と、思ってしまう可能性が高いということだ。

◇「見えるものの違い」が強力に

一方で、私たちは、自分自信の行動については外的要因を大きく見積もる傾向がある。友人がテニスの試合で負けたときには、「実力がないから」と内的に帰属するのに対して、自分が負けた場合は、「不利なコートだった」などと失敗の理由を外的要因に求めようとする。このように同一の出来事であっても、自分のことは外的要因に帰属し、他者のことは内的要因に帰属しようとする傾向を「行為者ー観察者帰属差(バイアス)」と呼ぶ。

自分が行為者である場合と観察者である場合となぜ帰属の偏りが起こるのか。いくつか説明が試みられている。他者を観察する場合は行動そのものが目立って状況などの要因はああまり目に留まらず、自分が行為者の場合は自分自身よりも周囲の状況の方が目立って知覚されるため、という説明が代表的である。つまり、判断するときの「視点」が鍵となるようだ。

しかし、紹介した実験のように、出来事に関する情報を十分に持っていたとしても、客観的・合理的な判断をするのは難しいようである。自らの判断の偏りも減らしたい時には、行動からその人の性格を無意識に判断していないかを常に意識すること、自分が相手の立場ならどう考えるか想像すること、そして、せめて「人の判断には常にこうした偏りがつきもの」と認識しておくことなどを心がけたい。

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