しろくま歯科医院 WEBサイトへ

しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
calender

2024年6月

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
AED
当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

最近のトラックバック

アーカイブ

リンク



« 食の乱れが朝食に現れる~日本とアメリカの現状~ | メイン | 人生を料理した男~麻薬の売人からトップシェフへ~を読んで »

2009年2月 2日 (月)

インプラントの成功率

本日は、加藤先生の著書『よくわかる 歯科 インプラント治療』よりお届けいたします。

☆インプラントの成功率

まず、前置きをしておきますが、私は臨床科であり研究が仕事ではありません。したがって豊富な研究データは大学や研究室に譲るとしても、私の医院でのデータは毎年集計しています。それによると昨年度は四二十一本のインプラントを埋入し、初期固定しなかったインプラントは七本ありました。成功率でいえば九十八、三四%です。

そして、それらの結合したインプラントが一年後にはどうなっているかなどの追跡調査をするためと、患者さんケアをチェックするために定期的に検診を行っています。過去10年間の統計によると、初期の感染などで成功しなかったインプラントを除く成功率は九十九%を少し越えており、残念ながらはずすことになったインプラントの大半が、強い歯ぎしりなどの外力によるもので、このデータからも予後に噛み合わせや歯ぎしり、悪い習慣が影響することが分かります。

それでは、インプラントの埋入後、直ちに人工歯をいれてその日のうちに噛めるようにする即時埋入・即時負荷(イミディエート・ローディング)治療での成功率はどのくらいなのでしょうか?

オールオン4(All on4)におけるインプラントの成功率は、この治療法の開発者であるポルトガル・リスボン市の歯科医パウロ・マロ博士(Dr.Paulo Malo)らによって詳細に報告されています。下顎における術後1年のインプラント残存率は九十八、二%。また、上顎における術後一年後の残存率は九十七、六%です。

ブローネマルクシステムにおけるインプラント喪失のほとんどは、治癒期間中か機能開始から一年以内に発生することがEspositらによって報告されていますので、荷重開始後一年を経過した残存率は、通常通り埋入後、六週間してから人工歯を入れる遅延荷重の長期観察と同じであると解釈してよいでしょう。

ちなみにブローネマルクインプラントの遅延荷重の術後十五年の成功率は、九十九%です。その成功率の高さには強い説得力があり、無歯顎者(総入れ歯)の即時荷重(オールオン4)治療が実用段階に達したことをしめしています。

顎の骨質は、下顎では表面の硬い皮質骨が厚く、骨も硬く、上顎は比較的軟らかい海綿骨が豊富で、皮質骨はやや薄いというように、上顎と下顎では大きく違います。

下顎の残存率について、さらに詳細に説明に説明しましょう。この調査は一九九八年四月から二〇〇二年六月までの間に、マロ博士のクリニックにおいて治療した四四名の患者を対象として行われました。計一七六本のインプラントが埋入され、うち四五本は抜歯直後に埋入する新鮮抜歯窩に植立されました。対象者は男性十五名、女性二九名で、年齢は三〇歳から七九歳に分布し(平均年齢六〇歳)、噛み合わせる上顎の歯は義歯(十八名)、インプラント(十四名)、天然歯(七名)、クラウンブリッジなどの処置歯(五名)でした。

新鮮抜歯窩に埋入した四五本のインプラントのうち、二名の患者で二本のインプラントが喪失したため、その失敗率は四、四%となり、一方、抜歯後数ヶ月した成熟した骨に埋入した一三一本のインプラントのうち、三名の患者で三本のインプラントが喪失したため、その失敗率は二、三%となっています。

マロ博士らはオールオン4の臨床治療の経験を通じて、出来る限り抜歯即時埋入(新鮮抜歯窩)を避けて、成熟した骨に埋入するのが安全ではないかと述べています。

上顎の調査は二〇〇二年から二〇〇三年十一月までに治療した三二名の患者さんを対象に行われました。対象者は男性十七名、女性十五名で、平均年齢は五五歳。これらの患者にオールオン4の通報にしたがって計一二八本のインプラントを埋入しました。うち二名で合計三本のインプラントが喪失したので、上顎の累積残存率は九七、六%。上顎で喪失したのはすべて後方の臼歯部でした。そのうち二名は重篤な歯ぎしりをしており、インプラントの加重負担能力が対応出来なかったことが原因ではないかと考えられます。

この調査により九七、六%という好成績が収められたことから、上顎においても四本のインプラントで治療する考えが有効なことが確認されたのです。

二〇〇六年にマロ博士らは三一六名の患者に対する合計一〇二〇本に及ぶオールオン4治療におけるインプラントの累積残存率を発表しています。三年後の下顎の残存率は九九、三%、上顎は九八、三%。四年後では下顎九十八、二%、上顎は九七、七%でした。

この高い残存率は、オールオン4の考え方の有益性を示しています。しかし、オールオン4の残存率は、マロ博士の研究したものしか現在では存在しません。その意味でも、オールオン4治療の真の評価は、これから徐々に定着していくことでしょう。

参考文献 よくわかる 歯科 インプラント治療 加藤大幸著 現代書林

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/161388/18306308

このページへのトラックバック一覧: インプラントの成功率

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。