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2009年2月22日 (日)

細菌・歯石の排除

本日は、佐藤孝先生の著書 『歯からはじめよう!アンチエイジング』よりお届けいたします。

◇歯垢は種々雑多な細菌の塊

歯からのアンチエイジングとは、多因子に対する予防であり治療であることもわかりました。その中でもまず第一に、口の中の破壊活動を行っている細菌を排除して、歯や歯周病組織を感染症から守ることが大事なこととなります。

口の中はもともと細菌だらけですが、悪さをするものもいれば、何ら害を及ぼさないものまで混在しています。これらを口腔常在菌とよんでいます。歯垢(デンタルプラーク)は種々雑多な細菌の塊であって、これを除去することにより虫歯や歯周病を起こす元凶を絶つことが出来るのですが、完全に全てを取り除くことは難しく、歯ブラシなどによるコントロールには限界があります。

細菌のコントロールは歯の表面だけでなく、歯と歯肉の間の溝である歯周ポケットの深いところの管理も大事も大事になってきます。

数多く存在する細菌の中でも特に歯周病の発症に関しては、嫌気性菌(発育するのに酸素があると困る菌)が関与しているといわれています。嫌気性菌は、酸素が到達しにくい歯周ポケットの深いところでのみ活動しているため、取り除くことが非常に困難になります。また、これらの細菌を全部まとめて一掃することが、人為的に可能かどうかも問題となります。害を及ぼさない細菌まで取り払い、口の中を無菌状態にすることなど所詮できないことです。かえって常在菌がいなくなると体の抵抗力がなくなり、代わりに特殊な菌が増えだして、新たに害が出てくる事があります。

◇歯石は細菌のしかばね

歯垢は石灰化して硬くなり、歯石へと変わってゆきます。歯石は細菌のしかばねで化石と考えれば、これは生体にとっては異物の存在となってきます。生体が異物として認識すれば、当然それに対する生体からの拒否反応が起こってくると考えられます。

体内に蓄積する石のような異物は胆石や唾石などがありますが、これらも大きくなり数が増え蓄積してくると、生体にとって障害が出てくるんはよく知られていることです。歯石も同じように、体にとっては異物として存在するわけで、この量が多くなり、広範囲にわたり蓄積することにより、歯の周りの組織(歯肉・歯槽骨)が異常反応をおこし、今まで害を及ぼさなかった細菌もいっきに活動し始めることも考えられるのです。

生体にとっての異物の存在となる歯石を徹底的に排除するには、細菌による破壊活動から口の中を守ることになり、組織の抵抗力を増し活力を高めることにつながってきます。

そのための対策としては、歯垢と歯石をしっかりと取り除くことです。特に歯石は、いったん沈着すると、歯ブラシではとれないので歯科へいくしかありません。歯周ポケットの奥深く見えにくいところに存在する歯石は、非常に硬くなってとれにくいため、従来は専用の器具を使って取り除いていたのですが、最近は超音波振動によって除去することが主流になってきました。

この機器は、根の表面や周りの歯肉を傷つけたり痛めたりすることが少なく、見えない歯石の取り残しが極力防げるようになりました。歯石をとる時の患者さんの苦痛も和らげられ、歯にも患者さんにもやさしく、術後経過も良好となってきました。

しかし、、一度に完全に取り除かれた歯石であっても、時間の経過の中で再び沈着を始めます。年に一~二回定期的なメインテナンスを繰り返すことが必要です。

参考文献   歯からはじめよう!アンチエイジング  佐藤孝著 日刊工業新聞社

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