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しろくま先生のブログ
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2009年1月24日 (土)

将来必ず訪れる技工物危機

今月の11日に、オルソ2001というスタディグループにお誘い頂きまして、講演を拝聴してきました。私は当時、大変な体調不良で、2日目は出席出来ず、早々と帰宅したのですが、初日に聞いた話が大変ショッキングなものだったので、ここに問題提起してみたいと思います。

初日は技工士の田村勝美先生によるインプラント咬合についての講演がありました。インプラントの咬合といっても、人間の咬合であることには間違いないので、やはり、筋肉、顎関節、対合関係をしっかりとするという事に間違いはありませんでした。

私が危惧した話しは、最後の10分間でのことです。

田村先生は、技工歯科界の重鎮ですから、非常に技工士の未来を心配しておられたのです。なぜなら、現在、ばたばたと技工士専門学校が閉校になってきているのです。

私の母校の東京歯科大学と関係のある技工士学校も今年、閉校になったそうですし、私の住む福島県にある技工士学校も今年、新入生を採らなかったそうです。つまり、卒業生がすべていなくなったら、閉校するということなのです。

しかも、技工士になったら、なったで就職の道は非常に厳しい状況だと聞きます。近頃は歯科医師の診療点数が急激に下がってきているので、その埋め合わせを技工士に払う技工料を安くすることで、埋め合わせをしているというのです。

また、最近は、中国や韓国で安く、早く技工物を作ってくれるので、日本の技工士さんもその状況にあわせて技工料を安く設定し直さなければならない状況なのだそうです。そのような状況で新人の技工士が成長出来る見込みは少ないというのが現状です。

技工士の仕事は、元々、神経を使い、残業、徹夜は当たり前の世界ですから、楽な仕事ではありません。そのため、技工士の離職率はなんと75%に及ぶというのです。

現在、歯科医師はどんどん、過剰な時代に突入しているのに、それを支える技工士が絶滅しかけているのです。

日本の技工士技術は世界1です。この大切な文化を絶やしてはいけないと思いました。いくら上手い歯科医師がいても、最後のまとめの技工物が無くては、我々は生きてはいけません。

田村先生がお役人に話を聞いたところ、技工士は医療関係とは別の扱いなのだそうです。

こんなことで良いのでしょうか。

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世界の不況が多方面に影響しているのでしょうか。


「うちで作る入れ歯は中国製です。」と、言った表示義務が、お医者さんに有るか?無いかは分かりませんが。
治療を受ける側の立場から言わせてもらうと、技工物が合う、合わないは一番大事な事。技術はどんどん高めていくべきです。作る過程も、使った材料も、口の中に長いこと入れて置くものだけに、患者は知りたい部分です。
食品の産地偽装・故意に毒物混入などが有る社会ですから、関心を持つべきです。
お医者さんも、「ちゃんと作っていると思いますが…」では、通らないと思います・・・
私達が、今やるべきことは、聞いてみれば良い事なのかも・・「先生、私の入れ歯、誰が作るんですか。」と、

by トド | 2009/01/24 9:57:02

前回、少し熱い書き込みになっちゃいました。
中国で作る製品全てが悪いって言っている分けじゃないですけどね・・・

私は、少し余計にお金を出しても、作り手の顔が見える物で、これからも行きたいですね。歯も食料も。


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