関節リウマチ患者の歯周病
本日は、デンタルトリビューン紙2008年10月号よりお届けいたします。
◇関節リウマチ患者の歯周病~口腔衛生の悪化は一要因にすぎず~
(ドイツ)これまでにも、関節リウマチ(RA)患者では歯周病罹患率が高くなることが報告されていますが、その因果関係は明らかにされていません。このたび、ベルリンのPischon Nicole氏らによって、RA患者の口腔衛生状態は歯周病の一要因ではあるものの、そのほかにも関連する要因があることがJournal of Periodontology〔2008;79(6):979-986) 発表されました。
RA(関節リウマチ)患者の歯周病罹患率は約8倍
RAは、長期にわたる炎症により関節が破壊されて関節炎が生じ、最終的に炎症部分が機能しなくなり、身体障害に至ることもある疾患です。
RA患者は現在、日本に約56万人、米国に約250万人、ヨーロッパに約230万人いるとの報告があります。
RA患者のなかには、手先を思うように動かすことが出来なくなり、日常生活に困難を来す者もいます。それにより影響を受ける問題の一つが口腔衛生であり、口腔衛生状態の悪化が歯周疾患の原因となっている可能性が指摘されます。しかし、今回の研究でRAと歯周病の関連において、口腔の不衛生だけでなく、他の要素が関与している可能性が示されました。
同研究では、対象をRA群(57人)と非RA群(52人)とし、口腔衛生状態を調べました。口腔衛生の指標として、①プラーク・インデクス(PII)②ジンジバル・インデクス(GI)③プロービング・デプス(PD)④クリニカル・アタッチメント・ロス(CAL)を測定しました。
また、歯周病の潜在的リスクを評価するため、問診によりRAや歯周病と関連する慢性疾患の有無、年齢や性別、喫煙歴、学歴、アルコール消費量、BMIなど人口学的特徴およびライフスタイルについても調べました。
解析はstepwise回帰分析を用いて行いました。
その結果、歯周病の有意な予測因子となりうるのはRA歴と年齢のみであり、RA群では非RA群に比べて約8倍も歯周病に罹患しやすいことが示されました。
◇二つの炎症性疾患を結びつける生物学的機序の解明に期待
そこで、口腔状態がRA患者における歯周病の発症率上昇とどの程度相関しているかを各指標で補正して調べたところ、PIIで12.4%、GIで11.1%、PIIとGIを合わせると13.4%にすぎませんでした。
この結果を受けて、Nicole氏らは「口腔衛生の悪化が一要因であることは明らかだが、それだけでRAと歯周病の関連を十分に説明することはできない。そのほかに、RA患者における歯周疾患の有病率を高くしている要因が存在する可能性が示唆された」とまとめています。
今後は、RAと歯周病という2つの炎症性疾患を結びつける生物学的機序を明らかにするため、研究が重ねられることが期待できます。
RA患者は、口腔衛生を良好な状態に維持するため歯磨きと歯間の清掃を定期的に行い、年に2回は歯科医を受診することが推奨されています。歯周病を発症した場合には、氏歯周病治療専門医に相談するのが最適な治療法の選択において有効です。
大変参考になりました。
リウマチになってから約5年になりますが、昨年末位から歯が痛くなりまた口の中が浮くような感じがあり、歯科治療を行っています。痛みがあったところは虫歯で抜歯しましたが、歯が浮く感じは歯周病ということで治療を行い始めました。
現在、食べ物を噛むと痛くて噛めなくあごも動かしたくないような状態です。歯周病の治療を始めたばかりなのでもう少し様子を見ようと思ってます。
この情報を見て、やはり関係があることを知り今後に生かしていきたいと思います。また、主治医と相談しながら治療していきます。
ありがとうございました。