しろくま歯科医院 WEBサイトへ

しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
calender

2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
AED
当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

最近のトラックバック

アーカイブ

リンク



« 求人のご案内について | メイン | 口臭に悩んでいる人ほど臭くない »

2008年8月19日 (火)

歯科のX線(レントゲン)撮影は本当に安全?

本日は、徳島大学歯学部創立30周年記念出版「なるほど現代歯塾」よりお届けいたします。

歯科のX線(レントゲン)撮影は本当に安全?

◇歯科のX線撮影も危険?

歯が痛くなると歯科に行きます。そこでは、必ずといってよいほど歯のX線(レントゲン)写真をとります。けれど、「体に害を及ぼす危険なX線を浴びて本当に大丈夫なの?」と疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか?

X線を浴びると、毛が抜けたり、失明したり、がんになってしまうのではと不安に思っていませんか?

戦時中に広島や長崎で、不幸にも原爆による放射線を浴びた人の中には、そのようになってしまった方がたくさんいらっしゃいます。たくさんの放射線を浴びたほとんどの方が亡くなってしまいました。

X線も放射線の一つなので、浴びれば体になんらかの異常が現れるはずです。けれども皮膚が赤くなる、毛が抜ける、失明するといった症状は、確定的影響といわれ、ある程度以上のX線(しきい値)を浴びないと絶対に起こりません。

歯のX線撮影では、最大でも1回、約5ミリのシーベルト(X線の単位)です。「皮膚が赤くなる」というのが最初の症状なのですが、これは2シーボルトで起こります。つまり続けて約400回の撮影ということになり、歯のX線撮影ではこのような事は絶対に起こりません。

白内障では5シーボルトがしきい値ですから、千回ということになります。また、撮影後に時間が経つと回復が起こるので、一生のうちで400回撮影しても安全です。

一方、放射線を浴びると、がんになるといわれています。。放射線による発がんは、確率的影響といわれ、しきい値がなく、浴びた量に応じて、がんになる確立が高まってきます。歯のX線撮影を1回行うと、そのうちの一人がそうなるということを意味しています。個人単位で考えるならば、無視することができるくらいのものです。

妊娠している場合は?

妊娠している場合はどうでしょうか?胎児に影響が出るのは、胎児が100ミリシーボルト以上浴びた場合に奇形(小頭症)が起こります。歯のX線撮影では、そのような大きな線量はありえませんし、胎児に直接X線があたることもありません。

妊娠しているかどうか分からない場合はどうでしょうか?

着床前期(受精後9日まで)では、50ミリシーボルト以上で胎芽死亡が起こり流産しますが、これも歯のX線撮影で起こることはありません。しかし、胎芽や胎児が被爆することは望ましいことではないので、その時には鉛入りのエプロンを使用すればより安全です。

参考文献 徳島大学歯学部創立30周年記念出版「なるほど現代歯塾」 医歯薬出版

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/161388/15476184

このページへのトラックバック一覧: 歯科のX線(レントゲン)撮影は本当に安全?

初めまして。歯科医院に勤めて10年になります。私の勤務先ではレントゲンを私が撮影します。パントモはX線室の外で照射のスイッチを押しますがデンタルはユニットに患者さんを寝かせたまま、何の防御もなく照射のスイッチを押します。デンタルのX線量はわずかだから害はないと聞きましたが10年間ほとんど毎日ですが大丈夫なのでしょうか?お返事頂けたら幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。


コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。