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2008年8月 1日 (金)

退化型の若者たち2

本日も昨日に引き続き、丸橋先生の著書からお届けいたします。

◇生物の形態は美しい左右対称

魚は泳ぐために、鳥や蝶は飛ぶために、現在の形態を獲得してきました。人間も含め、あらゆる生き物は必要な能力を得るために進化を遂げてきましたが、結果的にその形態は美しい左右対称形であったといっても過言ではありません。

魚も鳥も蝶もトンボも蝉もカエルも蛇も猿もヒトも、ほとんど狂いのない美しい左右対称形に仕上がったのです。魚の美しい左右対称の流線型、薄くて強いヒレ、左右まったく同じ位置にあって同じ形態の目、それらは最も能率的に、速く、巧みに水中を泳ぐために必要で、理にかなった洗練し尽くされた形態なのです。

もし、それらの形態が左右非対称であれば、重心に狂いが生じ、左右の能力にも差が生じ、能率的に巧みに動く能力は発揮されにくくなることは容易に理解できます。

左右対称形で重心が中心にある形態が最も合理的に能力を発揮するという原則は、人間が作った多くの機械や道具にも見られます。飛行機や潜水艦のなんと鳥や魚ににていることか。

ところが近年、人間の形態に大異変が生じています。進化の過程で美しい左右対称形に出来上がった体形が崩れ始めているのです。顔や体の形態が明らかに歪んで非対称となっています。顔が曲がる顎偏位症や、脊柱が曲がる脊柱側弯症などはすでに注目されています。

しかし、よく観察すると、左右の目の位置や大きさ、形態も多くの若者で非対称となり、鼻、口唇、頬部の形態も明らかに歪んでる人が多くなっています。そして、これらの顔や体の歪みは、歯列弓(歯ならびのアーチ)の歪みとはほぼ相関関係にあると見られます。

「使わないものはだめになる」というのが生物の退化の原則です。

近年、日本人がとみに軟らかい物を食べるようになり、使う頻度のすくなくなった咀嚼器官である口から退化が進み、顎骨が小さくなり、それによって歯列弓が小さくなって乱杭歯(歯列不正・凸凹した歯並び)となり、噛み合わせが狂った結果、下顎の位置が偏位したのです。

下顎位が偏位すると顔形は非対称に歪むが、そればかりではなく、首から上の部分の重心も偏位します。これが引き金となって、脊柱が弯曲hし、側弯症となります。姿勢はグニャグニャと曲がり、本来の美しいシルエットが崩れます。

そして、もっとも深刻な問題は、形態が崩れた結果によって生じる能力の低下や著しい不快症状の発症です。それによって活力が低下して元気がなくなり、気力も萎え、集中力、持久力も低下します。視力や頭の働きまで低下するのです。これら生物学的能力の低下が基本にあって、学んだり遊んだり働いたりする気力のない若年者が大量に出現していることをまず理解してもらいたいのです。

参考文献 退化する若者たち 丸橋賢著 PHP出版 

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大学院で生態学を専攻している者です。
本書には生物学・自然科学の視点から見て誤りが多く見られます。


>「使わないものはだめになる」というのが生物の>退化の原則です。
実は、この記述は生物学では0点です。よくある誤解です。
生物学的には「進化」と「退化」は対義語ではなく、むしろ同義語です。地中生活に応じて手足を縮小させた、ウマが走りやすいように中指以外の指を退化させた…など器官の縮小を指す用語にすぎず、「機能の後退」の意味での用法はありません。
「生物学的退化」を生物学に照らし定義するなら、このようになります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%80%E5%8C%96


そもそも現代の進化生物学では進化には能動性・目的・方向性などないと考えています。
「進化」は「変化」と説明され、遺伝情報の変化の蓄積とされています。本書で述べられた「生物学的退化」という概念は、生物学には存在しません。
後天的形質は「獲得形質」と呼ばれ、遺伝情報には普通はまず反映されないから、「獲得形質の遺伝」は否定されています。痩せ型の人が努力して筋骨逞しくなっても、子供は努力しない限りはやはり痩せ型…ということです。
遺伝情報自体が変化しないと進化・退化はしません。本書の主張する「生物学的退化」を認めるとむしろ糾弾される若年層ではなく、高年齢層など前の世代の責任になってしまいます。二重の意味で矛盾が生じてしまいます。

本書で述べられる進化論がダーウィン以前にラマルクという学者の唱えた「用不用説」であり、獲得形質を認めるなどの内容により現代では認められていません。
多いとは言いませんが左右非対称な生き物も存在します。進化自体が結構間に合わせでしかない部分も多々見られ、やはり本書の主張は自然科学に照らし合わせると多くの誤りが見られます。データの提示も恣意性が強く、科学的には意味がありません。
どちらかと言えば若年層を貶め誤った科学知識で自説を押し通す傾向が見られ、本書の主張は信憑性に欠けます。


不躾な意見で失礼致しましたが、本書が推奨するには問題があることを理解して頂ければ幸いです。


のむらさんへ

大変貴重なご意見ありがとうございます。
非常に勉強になりました。
今後も、色々とご意見をいただければと思います。
のむらさんの意見を自分なりに掘り下げていって、
今後の診療に活かして行きたいと思います。

by しろくま | 2008/10/06 18:52:19

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