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2008年7月31日 (木)

退化型の若者たち1

本日から2回に分けて、丸橋賢先生の「退化する若者たち」よりお届けいたします。

戦後日本人の顔が崩れた!?

敗戦直後の1947年から49年にかけてベビーブームがあり、その世代を団塊の世代と呼び、そろそろ定年を迎える年齢です。

団塊の世代の人々と、いま20歳の人々の顔を比較してみると、これが同じ日本人であるとは思えないほど形態が異なってしまっています。たった50年の間の大きな変わり様です。

顔を正面から見ると、下顎のエラが張り、丸くまたは四角い丈の短い寸づまりの概形は、驚くほど縦長となり、下顎のエラは細く、オトガイ(下顎の先端)にかけて尖った形となっています。それに加え、顔が鼻筋から下顎の先端(オトガイ)にかけて、左右どちらかに大きく曲がっている例が目立ちます。というより、鼻筋から下顎の先端(オトガイ)にかけて、左右のどちらかに大きく曲がっている例が目立ちます。というより、鼻筋からオトガイにかけてまっすぐで、左右対称の顔はあまりみられなくなっています。

横顔の概形にも大きな違いが認められます。下顎角という、下顎のエラの部分の角度が大きく開き、弓形、または三日月型となっています。その角度は団塊の世代では100度くらいで、直角に近く見えたのですが、退化型の若者の下顎角は120度にもなっています。

私が問題視するのは、短い期間にこれほど激しい形態の変化を見せているのは、世界中で日本だけの特異的な現象である、ということです。

さらに、縦長で横から見た顔型が三日月型の退化顔の若者には、体力、気力の低下ばかりではなく、頭痛、肩こり、めまい、吐き気、手足の痺れなど、強い不快症状あつきまとおう例がほとんどなのです。

最近の日本人の活力や持久力の低下、学力低下、不登校やニート、非行の増加などの根底には、このような、退化という近年の日本人の生物学的異変があると思われるのです。

◇進化により獲得してきた形態

あらゆる生物の多様な形態には、それぞれ明確な理由があります。必要とする能力を獲得するために何十万年、何百万年をかけて、繰り返して体を使い、獲得してきたのです。

魚は泳ぐために、鳥や蝶は飛ぶために、猛獣や草食動物は歩き走るために、現在の形態を獲得してきたのです。

体の細部にいたるまで、形態は合目的的であり意味があるのです。

キリンやダチョウは遠くまで見渡し、敵や餌を発見するために長い首を持ち、広範囲を視野におさめる目を持ち、速い脚を獲得しています。しかし、ライオンのように、狩りをするための太い脚や爪、牙などはもってはいません。反対にライオンは長い首を持っていれば目立ち、獲物に逃げられるので首は短く、獲物を襲う目的で太く強力な脚、爪、牙を獲得しています。

歯や歯列、顎骨などの形態、腸などの消化器の形態まで、食性にかなったものとなっているのです。

人間は大まかにいえば猿、猿人、原人の進化の過程を経て、ヒト(ホモ・サピエンス)となる道を歩んで来ました。森から草原に出たことが立ち上がるきっかけと言われますが、立ち上がることにより遠くを見る視力を獲得し、一方、自由になった手を活発に使うようになり、その刺激によって脳容量を増大させてきました。

立ち上がることは四肢で体を支えるのとは違い、重力に逆らって直立し、行動し、物を持ち上げなければいけません。そのため、しだいにヒトとしての脊柱(背骨)やそれを支える筋群を発達させてきました。

私たち人間の体も、他の生物と同様、長い歴史を経て、必要性によって現在の形態を獲得してきたことをまず理解しておきたいのです。決して理由無く出来た形態ではなく、その形態なくして必要性を満たすことが出来ないのが生物の形態なのです。

明日へ続きます。

参考文献 退化する若者たち 丸橋賢著 PHP出版

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