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2008年5月26日 (月)

なぜ歯の表面はあんなに硬いのか?

本日は、西川義昌先生の著書「知っておきたい歯と口の健康学」よりお届けいたします。

なぜ歯の表面はあんなに硬いか?

歯の構造は、大きく歯冠(しかん)部と歯根部に分かれます。

歯冠部は歯肉(歯茎)の上に出ている部分で、口を開けると普通に見えるところです。ふだん私たちはここをせっせと歯磨きしています。

歯冠部のいちばん外側は人体で最も硬い組織であるエナメル質で覆われています。エナメル質とは、一般に“被膜”のことをいい、歯のエナメル質は「ハイドロキシアパタイト」という物質で出来ています。

「アパタイト」は、リン酸カルシウムを主成分とする鉱物の総称です。アパタイトにもいくつかの種類があり、リン酸カルシウムに水酸基(OH)がくっついたものをハイドロキシアパタイトといいます。

歯のエナメル質は、ハイドロキシアパタイトが95~97%も占めていて、非常に硬い組織となっています。どれくらい硬いかといえば、物質の硬さをはかるモース硬度が6~7で、これは前述したように、鉄よりも硬く、水晶(石英)とほぼ同じくらいです。

人体にある硬い組織には、歯以外に骨や爪があります。骨はコラーゲン繊維を骨組みとしたその間をタンパク質とタンパク質に沈着した様々な無機成分が埋める構造をしていますが、主成分はやはりハイドロキシアパタイトで、骨の重量のおよそ70%を占めています。

それに対して、爪はケラチンと呼ばれるタンパク質がSS結合という強固な結びつきをしたもの(ハードケラチン)です。

さて、エネメル質のすぐ内側には象牙質と呼ばれる組織があります。象牙質は、体積からいえば歯のほとんどを占めていて、歯の本体といえます。象牙質という名の通り、象牙とよく似た成分からなり、やはり成分の70%ほどがハイドロキシアパタイトです。

もっとも、象牙は門歯(切歯ともいいます)が発達したものなので、ほぼ同じ成分からなるのは当然といえば当然なのです。象牙質はエナメル質に比べてコラーゲンタンパク質などの有機成分を多く含むため、その分エナメル質より柔らかくなっています。

象牙質のさらに内側には、歯の心臓部ともいえる歯髄があります。歯髄は、神経や血管が多数通っている柔らかい組織で、周囲には象牙質を作り出す象牙芽細胞があります。

歯科医が「歯の神経をとってしまいましょう」というときは、歯髄を除去することを意味しています。歯髄を除去してしまうと、神経がなくなるので虫歯の痛みを感じなくなります。見たところ以前のまま歯冠が残っていて、患者さんには痛みを取る手っ取り早い方法に思えるかもしれませんが、歯髄がなくなると、もはや象牙質が産生されることもなく、歯は死んだも同然といえます。強度も弱くなり、硬いものを強く噛むと、歯が折れてしまうことさえあります。だから歯科医の間では、歯髄がある歯を「生活歯」、歯髄を除去してしまった歯を「失活歯」と呼んでいます。

参考文献 知っておきたい歯と口の健康学 西川義昌著 山海堂

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