おっぱいを飲む
今回は、金子・菊谷両先生の監修した「上手に食べるために-発達を理解した支援-」からお届けいたします。
おっぱいを飲む
おっぱいを飲むときの赤ちゃんの口の動き
生まれたばかりの赤ちゃんの場合、おっぱいを飲む動き(哺乳行動)は、原始反射である「哺乳反射」によって行われます。哺乳反射には、「探索反射」と「吸綴反射」があります。
生まれたばかりの赤ちゃんにとっては、しっかりと栄養を取るために、このような反射は亡くてはならないものです。けれども、この反射は成長とともに次第に消えていきます。
生まれたばかりの頃は口に入ってくるものは何でも反射的に吸ってしまうため、飲む量を調節できず、そのために吐いてしまいます。
けれども、「吸うことを拒否する能力」は少しずつ発達していきます。通常の場合、生後3~4ヶ月ごろになると、何となく飲みが悪くなったような気がしてくるのですが、これは赤ちゃんが「自分で飲む量を調節出来るようになった」と言うことなのです。そしてやがて反射は少しずつ消えていき、5~7ヶ月ころになると、離乳食を食べ始めることが出来るようになって来ます。
赤ちゃんの飲み方。
赤ちゃんがおっぱいを飲むとき、口はどうなっているのでしょう?
口は上下に大きく開け、上は上顎、下は舌が乳房を支えています。そして乳首を上顎の奥の方まで引き込んで、「吸綴反射」の動きで飲んでいます。つまり、唇と顎は開いたままで、飲むことが出来るわけです。
このような飲み方は「乳児嚥下」と言われます。けれども、いつまでもこのような飲み方をしていると、固形物を食べることが出来ません。「哺乳反射」が消えていくのとほぼ時を同じくして、唇や顎を閉じながら飲み込む、「成熟嚥下」が出来るようになっていきます。
哺乳反射の残る4ヶ月以前に離乳食を始めてもなかなかうまくいかないのは、このような発達のしくみがあるからなのです。
参考文献 上手に食べるために 金子芳洋・菊谷武監修 医歯薬出版
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