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しろくま先生のブログ
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2007年1月31日 (水)

身土不二

今日は、群馬県で診療し、歯科に関する著書も多い、丸橋賢先生の著書「歯で守る健康家族」の中から、歯科エッセーをお届けいたします。

健康調査結果から見えた食と歯と健康

モンゴルの遊牧民を調査してみると、とても美しい歯や歯列をしています。歯ばかりではなく、姿勢も良く、皮膚の色艶も輝いています。

モンゴルの遊牧民の食べ物は、羊や馬などの肉や乳、乳製品が主です。ケニヤのマサイ族の調査結果も基本的に共通した点が多く、素晴らしい歯や歯列、姿勢、皮膚の輝きをもっております。視力の良さも驚くべき物で、4.0以上の人が多く存在します。

マサイ族の食生活は、家畜の肉や乳、血などが主です。

日本人の健康な老人の調査をしたことがありますが、身近で採れたものを食べるのが主で、とても簡素な食生活をしていました。

食事戒律のある宗教団体の方の調査もしました。歯や体の健康状態は、一般の日本人に比べて明らかに良く、食生活は自然の恵みを過度な加工をせず、バランスよく、食べるという共通点が認められました。

歯の良い人と歯の悪い人の比較調査など、多くの調査研究を行いましたが、全体を通していえることは、地域により、気候や地質などの自然条件が異なるため、その地域でとれる食物は大きく異なるものの、肉中心であったり、穀物や野菜が中心であったりしても、自然からの恵みを自然に近い形で食べるという点は共通している、ということです。

身土不二という言葉が実に説得力のあるものに感じられるのです。

歯の悪い人達に共通した食生活の傾向も見られます。栄養のバランスでいえば、厚生労働省の栄養所要量と比較して、脂肪や砂糖などのエネルギーが過剰で、ビタミンやミネラル類、食物繊維が不足しているのが、歯の悪い人の共通傾向なのです。

野菜や花などを育てるのに肥料バランスなど土質が決め手になることに疑問の余地は無いでしょう。それを基本として、温度や湿度、日照などの環境が整えば、植物はその遺伝子に許された範囲で能力を全開し、元気に育つ事は誰もが認める事だと思います。

人間も生物ですからまったく同じ事がいえることは当然で、私の調査結果からもそれが分かります。

問題はこのように常識的で基本的な見方が、歯科医学の世界ではあまり感心が持たれず、研究や治療に生かされていないという点です。

学校や歯科医院でも、児童や患者に対して食生活に重点を置いた健康づくり歯科疾患予防の指導は行われていません。ブラッシングやフッ素塗布などの末節の予防活動に力点が置かれている傾向が見られるのです。

参考文献 歯で守る健康家族 丸橋賢 現代書館

やはり、食、ですね。
サプリメント等と言わず
毎日の食を考えましよう。


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