坪田先生のアンチエイジング法
先日、坪田先生のアンチエイジング10箇条について書きました。
今回、坪田先生のアンチエイジングに対するインタビューが有りましたので、それをご紹介いたします。
-昨今、アンチエイジング医学が話題となっていますが、どんな医学なのでしょうか?
坪田
アンチエイジング医学とは、エイジング=加齢、老化に対抗する医学で、近年、主に米国などで研究や診療の取り組みが盛んになってきました。
化学と医学の進歩により、老化のメカニズムが次第に分かってきました。それと同時に、老化を遅らせるアプローチや若返らせる為の医学技術も登場してきたことで、従来の病気を治すための医療のみならず、健康な人が若さを実現するための医療が登場して来たわけです。
以前から病気にならないようにするための予防医学という分野はありましたが、アンチエイジング医学はそれをもっとアグレッシブにしたようなもの。病気にならないようにすることはもちろんですが、それだけではなく、若い頃の体力や健康を維持していこうという、さらに一歩踏み込んだ医学といえます。
老化も病気のひとつと考えて加齢そのものに介入していこうという考え方です。ですから、まだ研究段階でエビデンスのないもの、つまり実証されていない考え方やアプローチも有りますので、我々医療従事者としては慎重に対応しなければいけない部分もあります。
-具体的には、どんな医学的アプローチや治療法があるのでしょうか?
坪田
いろいろ方法があります。例えば、活性酵素がさまざまな病気の原因や老化の原因になると考えられていますので、食物や抗酸化栄養素をたくさん摂取することもあおのひとつです。
100歳以上の健康長寿の方に太っている人はいません。またカロリーリストラクションといって、カロリーを6~7割に制限すると寿命が延びることが虫や動物の実験で分かってきました。肥満を防止するためにも食べ過ぎは良くないです。昔から言われるように腹八分目、七分目が良いということでしょうか。
もちろん運動も大切です。また、寝ている間に成長ホルモンが分泌されるので、しっかりと睡眠をとることも若さと健康に重要と考えられています。
また、ストレスは万病の元。先の健康長寿の方々には楽天的でくよくよしない人が多い。笑いで免疫力が上がることも実証されていますから、ストレスを上手にコントロールして笑顔で暮らせる環境を作ることも大事です。
無理しないでへらへら仕事をしていた方がいい(笑)。不愉快なことがあったとしても、怒ったり、不機嫌になったら「自分の寿命が縮まって損しちゃうから、やーめた」とすぐに忘れたほうがいい。
-日常生活でアンチエイジングを実践できる方法はまだありそうですね。
坪田
簡単に実践できる方法として「水をしっかり飲む」というのがあります。これは寿命との実証はないけれど、リスクもないし、理論として正しいと思っているので、私は実践しています。
また、体調が良くなった、などの体感も大切です。一般的に汗や尿として排泄される水分は1日に1.1~1.5リットルと言われています。できれば、それよりも多く摂取して、体内の余分なものを積極的に排出したいという考えから、自分の体重の30分の1、体重60キロの人なら2リットル程度、1日に摂取することを推奨しています。これは、喉が渇いたから飲む、というのでは摂取できません。計画的に配分して、きちんと摂取していく習慣をつけることが大事です。
私自身が今一番気をつけている事は、実は「血糖コントロール」。私は運動もしていて、BMI値は理想の22。太っていないし、腹筋もしっかり割れている。なのに、糖尿病予備軍ということがわかりました。糖耐能が悪いタイプで食後に血糖値が上がってしまうのです。これはものすごくショックでした。
それから何を食べると血糖値が急激に上がるか、ということを、測定器を買って自分で調べました。すると今ダイエットなどで話題のGI値(ブドウ糖を100とした場合の血糖上昇率)は確かに正しいことは分かりました。それで、炭水化物を控えたり、ランチから夕食までに時間が空くときは、ナッツなどをつまんで血糖値が急激に下がったりしないように心がけています。
日本人は欧米人に比べて、私のように糖耐能の悪い人が多い傾向があるので、これはとても大事なことだと思います。空腹時血糖値の検査ではわからないので、40歳を過ぎたら、食後30分、1時間の血糖値をきちんと調べることをおすすめいたします。
食の重要性は今後医療においてもっと見直されてくると思います。安全性から機能まで。私たちの体は食品によって作り出されているわけですから。
-坪田先生は研究だけでなくご自身もアンチエイジングを実践されていますが、若返った実感はありますか?
坪田
アンチエイジングを実践しなかった場合と比べられないので、若返ったかどうかは分からないけれど、疲れにくくなった、風邪を引かなくなった、というのはあります。
あと、毎年、アイバンクのチャリティーマラソンで中谷さんと一緒に、皇居を1周してタイムを競っているのですが、毎年タイムは自己ベストを更新しています。この数字は若返ったといえるかも(笑)。
体調が良くなることはもちろんだけど、それと同時に、なんか楽しい感じがしています(笑い)。
以前から私はポジティブシンキングを大切にしていたけれど、それが日常の食事とか、運動とか、時間の使い方とか、いろいろなことが「アンチエイジング」というキーワードで統合されて、よりクリアに、明確な方向をもってパワーを増した感覚があります。
それから、私の両親にもアンチエイジングを薦めて、元気になってくれたことが嬉しい。アンチエイジング医学に出会う前は、父親は遺産相続の話をしたり「もう株は塩漬けだ」なんていっていたのが、また株を始めたり、家をリフォームしたり、おしゃれをして旅行に出かけたりするようになった。なんか親孝行できた気持ち。親が元気になってくれるのはとても嬉しいことです。
私は、大学時代に坪田先生に眼科の授業を受けていました。彼は当時わたしの大学の眼科の教授だったのです。とても気さくでまったく悩みがないような感じをうけていました。
しかし、自分の体の管理はしっかりと本格的に行っているのには、本当にびっくりです。あの自信は自分の体に対する自信からきているのかもしれませんね。アンチエイジング良いかもしれません。
私もアンチエイジング・で子供達に迷惑をかけないで
元気老人 不良老人に、 誓います。