アレルギーその③
近年の医師、歯科医師の医学雑誌を読むと、多くのアレルギー疾患の特集が組まれるようになってきました。
それは、それだけアレルギーの患者さんが多く、本当に困っているからだと思います。
大多数の患者さんは多くの医療機関を受診していて、対症療法的には症状は抑えられてはいるけれども、完治している患者さんは少ないのが現状です。
今回は、いくつかの原因を考えてみました。(今回も「メディカルインタビュー デンタルダイアモンド社からの抜粋です)
1.青鼻をたらす鼻タレ小僧が減ったわけ
衛生状態、栄養状態の改善とともに、感染の機会が減じ、たとえ感染してもすぐに抗菌薬が使用され、自然免疫機構が働く前に速やかに制御されてしまうためといえます。
その結果、生体の防御機構が十分発達せず、アレルギー疾患が増加傾向をたどっている可能性はいなめません。
2.住環境の変化
近代家屋は、密閉化が進み、冷暖房化および絨毯が敷きつめられています。人にとって快適な住居空間は、ダニ、カビの繁殖にも好条件となりました。
人口の過密と住環境は、古くからの習慣の畳の虫干しを出来なくしているのもその要因かもしれません。
3.寄生虫の恩恵
昭和30年代には、回虫やぎょう虫を人生行路のいずれかの時点で誰しもが保持していたといわれていました。著者(このメディカルインタビューの著者のこと)も、父が兄の肛門からそれは長い寄生虫を引っ張り出していたのを忘れられない。
寄生虫に感染すれば、当然IgE抗体ができ、これがいうまでもなくアレルゲンに特異的に産生されるIgEとマスト細胞の結合をおさえ、アレルギーが起こりにくかったと考えられます。
4.ペット
近年では、少子化に伴い室内でのペット飼育が急増しています。
その種類も犬、猫はもちろん、ハムスターや小鳥などの増加が目覚ましい。これらの毛や唾液に感作されて発症するアレルギーも少なくないのです。またペットのふけはダニのごちそうでもあります。
5.食生活の変化
最近の贅沢な食生活が問題です。昔、日本の食事は魚が主体でした。魚の油はアレルギ-性疾患の発症を抑えるとされていました。また食品に添加させている防腐剤、着色料なども助長していることは否めません。とくにアスピリンに過敏な人はこれらのものに反応しやすいといわれています。
6.赤ちゃんのアレルギー
妊婦や授乳婦が喫煙すると、その影響は赤ちゃんにおよびます。抗原性の高い卵や牛乳を過量に摂取すると、吸収された一部が胎盤を移行して胎内感作することが指摘されはじめています。
さらに、社会事情などにより早期の離乳が一般化すると、乳児の消化管が十分発達していない時期に抗原性の高いものが吸収されてしまいます。すると、十分消化されないので、アレルギーへの引き金にもなるといわれています。
7.アレルゲン増加
我々が今までに経験したことのない、洗剤やプラスティックなどの化学物質も感作源になり、高濃度の大気汚染物質は気道の透過性を高め、更にストレス社会ではアレルギー疾患の発症の環境を作っているともいえるのです
参考文献 メディカルインタビュー デンタルダイアモンド社
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自覚して 排除して 心がけることかな。