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しろくま先生のブログ
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2006年7月29日 (土)

歯の歴史7

言葉は悪いのですが、我々歯科医師はその昔、歯大工とか言われていた時代がありました。

歯科は非常に奥深い世界です。なぜなら歯科は医科の知識と理工学の知識が必要です。

歯を削れば、そこには必ず材料を埋めますし、歯を抜けば、そこにはインプラントや入れ歯、ブリッジと言うように、必ず医療と理工がワンセットになって存在しています。

私も、歯科の中の理工側の研究を続けていましたし。

最新の歯科医療を紐解くとそこには、材料の発展が必ず付随しています。しかし、新しい材料を使うことが、必ずしも最新の医療ということではありません。

やはり、駄目な材料、医療法は必ず自然淘汰されていますし、今でも続く昔ながらの医療はとてもすばらしいものが多くあります。

話は少し脱線しましたが、本日の話は、「歯科の治療に使われた最初の道具は?」と言うことです。

歯科治療の歴史を紐解くと、齲窩(虫歯の穴のこと)の処置に初めて器具を使ったのは小アジアの一都市ペルガムスに生まれヒポクラテス以後の古代医学者中でも卓越した業績を残したガーレン・ガヌレスと言われています。

彼は錐(きり)を用いて齲窩に穿孔(神経を抜く孔をあけた)を施しました。

また、シリアのアパミア出身でローマで活躍したアルキゲネス(100~200年)は、歯痛を歯の内部(歯髄の炎症?)から起こると考え、自家考案による手円鋸(trepan)でガーレン同様にカリエス部(軟化象牙質)を除去し髄腔穿通法を行いました。

このころになると、考え方が現代の歯科医療に近くなってきているのが分かります。道具の発展が歯科医療の発展に繋がったことは間違いないことですから。

参考文献 歯科の歴史おもしろ読本 長谷川正康著 クインテッセンス出版

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理工と医療の歴史、現在までの道のりは
失敗と苦悩を重ねてきたのでしょう、
考え深いお話ですね、


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