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2006年7月22日 (土)

耳で計る正しい噛み合わせ

歯科医師会で発行されているデンタルマガジンがあります。

その中の「歯と身体の科学」というコーナーで、「耳で計る正しい噛み合わせ」という記事が載っていました。

これに改訂ある概要は、耳鳴り、耳痛、耳の圧迫感や閉鎖感などが、下あごの位置修正や噛み合わせの治療によって改善されるケースがあるとの内容でした。

顎(あご)の機能障害がある場合に見られる耳と顔の症状を以下にまとめて見ました。

・首の後ろ側の痛み 77%

・偏頭痛 44%

・首・肩こり 85%

・耳閉塞感 38%

・耳鳴り 29%

・顔面痙攣(けいれん) 5%

・耳痛 20%

・舌痛 20%

・眼振(眼球が無意識に一定のリズムで動くこと) 6%

・顔のほてり 10%

・舌の灼熱感 10%

・めまい 14%

・味覚異常 9%

この顎(あご)と耳の関係が取りだたされ始めたのは、1930年代。

「奥歯が抜けると顎が後退し、耳の器官を圧迫して難聴の原因になる」とアメリカの耳鼻科医が報告したものが始まりとされています。

しかし、そのメカニズムははっきり分かりませんでした。顎(あご)と耳の神経が直接繋がっていることが解剖学的に直接つながっていることが証明されたのが、1990年代。

近年になってやっと、顎(あご)の異常が耳や顔面の感覚に影響を与えやすいことが分かってきました。

私も、顎関節症の診断を下す時は、必ず耳のチェックを行います。

顎関節部後方には、耳の穴(内耳孔 ないじこう)があります。

顎関節症で口が開きずらい状況になった場合、最初に考えられる原因として、関節の骨と顎の骨の間にある関節円盤(背骨の椎間板のようなものと考えてください)が前方へ落っこちてしまうことが考えられます。

この関節円盤は顎(あご)の動きをスムーズに動かす働きがあります。

顎は、口を開くには前方へ移動しないといけないため、前方へ落ちてしまった関節円盤にぶつかり、ひっかかってしまいます(この時に発する音がカクッという音です)。

このため、顎のは後方へ移動し、耳の穴(内耳孔)を圧迫し、耳に悪影響を及ぼすのです。

顎関節の治療により、口を開く時、顎を適正に前方へ移動する事が出来れば、耳への圧迫も取れ、耳の症状もとれてくると予想できます。

もちろん、耳の症状がひどい時には、耳鼻科との協力の下に治療をしていきます。

話は変わりますが、野球の選手のヘルメットをよく観察すると、ちょうど耳の部分が覆われているように出来ています。

これは、耳と顎関節を守るためと言うことを聞いたことがあります。まだ体が出来ていない時(子どもの時)にこの当たりを強くぶつけたり、怪我をしてしまったりすると、将来さまざまな障害に悩まされる事になります。

親御さんはこの付近の怪我だけは絶対に避けるように注意してください。また怪我をしてしまった場合は、自分の判断で処置せず、かならず専門医に相談してください。

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