肉食獣の歯
解剖の時間でした。その時間は顎関節の解説をしていました。人間(雑食)と肉食(猫)と草食(羊)の顎の違いを説明していました。
非常におかしかったのは、人間の顎の解剖写真を見ても、みな冷静だったのに、猫と羊の顎の解剖写真を見たときに、皆気持ち悪がりました。人間の解剖写真は見慣れてしまっている証拠ですよね。ある意味、不思議な世界です。
話が、少しずれましたが、その解剖の先生が言うには、関節の形を見れば、その動物が何を食べているかがわかるというのです。
肉食動物の関節は肉を引きちぎる動きが出来るようになっていますし、草食動物の関節は穀物をすり潰す動きが出来るようになっています。
たぶん、想像ですが、恐竜なんかの特性もこの辺から調べているのではないかとも思えます。
そこで、肉食動物の歯と食べ物の関連を調べてみました。
現在、寝転がりコアラで有名な東山動物園のHPに肉食動物の歯の詳しい説明がありました。
今回はそれを少しまとめて見たいと思います。
ネコ科のライオンやイヌ科のオオカミなどの肉食動物の歯は門歯(前歯の事です)が小さく、獲物を捕らえるのに役立つ犬歯が良く発達しています。
頬歯(前臼歯と臼歯を含めた呼び名)は、鋭く尖り肉を引き裂くのに適した形をしています。従って顎は獲物を捕獲するため短く強力な咬筋(咬むための筋肉)が発達しています。
頬歯の数は少なく、大きな肉を切り裂く時は、前足で肉を押さえ、口を横にしてこの頬歯をハサミの様に使います。
肉をいったん口の中に入れてしまうとあまり噛まずに飲み込みます。
海獣類(アザラシ)等は魚を主食にしています。
歯は鋭い円錐形をしていて、捕らえた魚をあまり噛まずに飲み込んでしまいます。
魚類の鮫(サメ)の仲間は一風変わった歯の生え替わり方をします。歯は三角形をしたカミソリの様に鋭く幾重にも並んでいて、歯全体を覆っている無数の棘が変形して歯になっています。
こうして見てみると、肉食獣は、全く食物を咀嚼(食べ物を噛むこと)をしません。これは、私の想像なのですが、ゆっくり消化良く食べていると食事を奪われてしまったり、自分の生命をも危険になってしまうからなのでしょうか。
そのせいかどうか分かりませんが、肉食獣の胃や腸などの消化器官は一般的に細く、短い形をしているそうです。
皆さんは良く噛んでご飯を食べましょう。だれも取りませんから(笑)。
人間の歯も時代、食品、によて変化しているのでしょう。兎に角良く噛む・意識して・ですね。