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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
毎日のケアについてのアドバイスを載せていきます。
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2022年1月 6日 (木)

ジャームエクトミー(子供の親知らず歯胚抜歯)

昨年末に娘(14歳)の右下の親知らず歯胚抜歯を行いました。

去年の10月くらいに娘の歯の状態を確認しようと久方ぶりにパノラマデンタル写真を撮影しました(全顎が撮影される大型のもの)。

その時に右下の親知らずの歯胚を発見したのです。

その前になぜ娘のパノラマ写真を撮影しようと思ったきっかけですが、すこし歯並びが崩れている感じがしたからです。案の定でした(苦笑)。

子供の親知らず歯胚は出来るだけ早い内に抜歯した方がいいです。親知らずがまだ完成していないですから歯の根の部分が出来ていないですし、第二大臼歯の接触も弱く、大きな歯列不正が起きていないですし、将来の口腔内の虫歯や不具合をかなりの確率で防ぐ事が出来るからです。

12月27日の診療終了時にスタッフの一人(本当にありがとうございました!!)に残ってもらい娘の手術を開始しました。

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この小児の親知らず抜歯をジャームエクトミーといいます。当院ではいつもやっている処置なのですが、やはり自分の娘だと少し緊張しますね(苦笑)。

親知らずの場所にボール状の親知らずが骨の中に完全に埋まっているので、骨を除去してから取り出すのです。手術時間は大体10分くらいでした。親知らずの成長がかなり少なかったので、抜歯処置が楽でしたね。

縫合は4糸でした。写真一枚目が次の日の腫れの状態(右下)。少し内出血の様な状態がでましたので、右下顎の部位が変色してしまいました。

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でも、娘の全ての親知らずを14歳で抜歯出来たので、かなり安心です。

これから第二矯正(何年か前に第一期矯正を行っているのです)をいつから開始するか検討します。

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《 ちなみにジャームエクトミー(小児親知らず抜歯)は自費治療となります。 》

2021年5月29日 (土)

最後の乳歯。

先日の休日に、娘から「歯科健診をして欲しいんだけど」とのお願いがありました。

暫く子供の「歯」を確認したいなかった事を反省し、休日の診療室の電気を付けました。

娘より以前から、「歯がぐらぐらする」との訴えがあったことを思い出し、抜歯する事に。

これが娘の最後の乳歯。人生で最後の抜歯になって欲しいなと親心に祈りながら抜歯をしました。

娘も、もう私の抜歯には慣れたもので、直ぐに応じてくれて短時間で終了しました。

娘の最後の乳歯という、少々お父さんとしては、センチメンタルな感じでしたが、本人はサバサバした感じ。

まあ、そんなものでしょうね(笑)。

今後もスクスクと育って貰いたいものです。

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2020年7月11日 (土)

こどもの手。

私には子供が二人居ます。

娘と息子です。娘は中学生になったばかりで息子は小学生の上の方。

最近、寝ている子供たちの「手」を触ってみたのです。

二人ともゴツゴツとマメが沢山出来ています。

特に二人とも運動をしている訳では無いのに・・・・。

これは多分、毎日の通学に関係があると思っています。小さな体に自分の体重の半分くらい有るんじゃないかと思われる位の重い荷物を持っているのです。

大人の私が持っても「重いっ!」って思ってしまうくらい重量がある荷物です。

あれでは絶対に子供の骨格が変形してしまうと感じます。

まあ、親ばかな意見なのでしょうが、それにしても重すぎます。

でも、勉強等をしっかり頑張ってくれている様なので、見守って行きたいと思います。

頑張れ!

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2020年6月10日 (水)

この資料は凄い!

もの凄い参考書を購入してしまいました。

「模型を見る 模型を読む」という歯科の本です。

一般の方は何の興味も持たないかも知れませんが、歯科関係者の噛み合わせを専門にしている方が見たら驚愕の内容です。

この本の内容は、、佐藤貞勝先生が研究のために1955年頃から50数名の研究員とともに生後4ヶ月の乳歯萌出から20歳前後の永久歯列完成までを2ヶ月間隔で歯列模型を採得し続けた物をまとめたものです。

本の中身は、この間の歯列模型の写真を羅列したものに過ぎないのですが、この凄さは計り知れない程の破壊力があります。説明は全く要りません。

成長過程での経年変化がハッキリと分かり、不正咬合の成り立ちの恐ろしさを診る事が出来ます。

こういった歴史的研究をまとめた清書は、大抵10万円以上する大型本の場合が殆どなのですが、この本はコンパクトな手のひらサイズでしかも定価が1万円を切るという凄さ(値段を抑える工夫が随所にみられます)。小さく手頃なので、いつでもどこでも見られ勉強出来ます。

佐藤歯学研究所が多くの先生方に歴史的研究を活用して欲しいという熱意がヒシヒシと伝わってきます。

大事に活用させて頂きます。

ほんと、こんな歴史的大書、言葉は要りません。写真だけで臨床のヒントを多く提供してくれています。

佐藤先生と出版を快諾した出版社に感謝。

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2019年11月 3日 (日)

初出勤

10月30日の午後に初めて「福島県総合療育センター」に出勤してきました。
私がなぜ、この療育センターに関わるようになったかと言えば、私が理事を務める学術部門は代々、理事が療養センターにて診療を行う事が義務ずけられているからみたいなのです。
私は元々老人歯科に近い場所で仕事をしてきたため、子供が中心の療育センターでご迷惑を掛けるのではと心配したのです。
しかし、実際に診療をさせて頂くと、ここは私自身が歯科医師として成長出来る大変有意義な診療所と言うことが分かりました。
どこが、どのようにと説明する事は難しいのですが、とにかく有意義である事には間違いないです。
私は第5水曜日というなかなか巡ってこない曜日なので1年でも数回しか出勤出来ませんが、有意義にそして精一杯頑張りたいと思います。
ご協力お願いします。

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2019年10月15日 (火)

福島県総合療育センターに見学に行ってきました。

郡山歯科医師会の学術理事に就任した事で、福島県総合療育センターへ診療へ出向く事になったのです。
私の場合は、第5水曜日の午後が割り当てられました。
第五水曜日って年に数回しかないので、それ程出向く事はないのですが、歯科医療には数は関係ないので、ご迷惑を掛ける訳にはいきませんので、見学に行ってきました。
自分の診療室以外で診療するなんて、最近は全く無かったので、どんな機材、薬剤、ユニットを使用しているのか、また、カルテの記載に関しても不安があったのです。
実際の療育センターの診療を見学させて頂いて(見学の日は、尊敬するK先生でした)、改めて、責任のある診療をしないと行けないと身が引き締まる思いでした。
この療育センターとは主に、児童の診療をするのですが、重度の重複障害がある場合が多いので、今までの自分のやって来た診療は全く通用しないと考えた方が良いと思います。
また、一から自分の歯科診療について見直す良い機会かとも思っています。
来月から始まります。
しっかり頑張って来たいと思っています。

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2019年6月17日 (月)

歯科健診

先週の木曜日は午後休診なので、ちかくのキッズルームひばりさんへ歯科検診に行ってきました。
本当に場所が近くて有り難い!!
12時15分に診療が終了して、25分には到着していましたから。
今回の健診は0歳から2歳くらいまでの乳幼児さん(笑)。
この位の年齢の乳幼児さんをまとめて診察出来る機会ってそうそうないから、歯科医的にはちょっと嬉しい健診。もの凄くためになるし、勉強になります(ちょっと健診で勉強するなんて不謹慎かな!?)。
人数的には大きな学校程の数がいる訳ではないので、まったく身体的負担はゼロ(笑)。
その後、お茶をご馳走になりながら、ちょっとした小児に対する注意事項をお話して帰宅いたしました。
正味1時間半くらい。
小さい子供さんはやはり可愛いですね。保育士の皆さんも自分の子供の様に大切に見守って保育しているから、子供たちも自分の家の様にリラックスしていて、良い環境だと思いました。
近くにこういう保育園(あってる??)があるのは幸せだな。
今年の歯科健診も残るはあと一つ。
頑張るぞ!!

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2019年2月10日 (日)

意を決して!

今日は家族と一緒に外出していました。
ちょっと、夜にしなければ行けない仕事があったので、すこし早めに帰宅。
夕食を済ませ、院長室で仕事をしていると、息子が悲しげな顔ですごすごとやって来ました。
「パパ、ちょっと歯が変なんだ」って言うではないですか。
直ぐに、息子の歯をチェックすると、右上の第一乳臼歯が破折していました。
たぶん、今日外出している時の食事の時は痛かっただろうな〜〜。
親が歯医者なのに何をやっていたのだ〜と自己嫌悪。
可哀想な事をしました。
ただ、反対側の同じ歯は、既に永久歯が萌出していましたし、今回の歯もかなり動揺がありました。
念のため確認すると直ぐ下に健康な永久歯がしっかりと確認出来ましたので直ぐに抜歯しました。
他の虫歯も1本在りましたので一緒に処置しました。
私が歯医者でも自分の子供が虫歯だと心を痛めるのだから、歯医者では無い普通の家庭のお子さんが虫歯になると、親御さんはとても心を痛めるんだろうなと酷く同情しました。
やはり虫歯の予防にはしっかりと取り組まなければいけないですね。
意を決して私に相談してきた息子の気持ちを考えると心が締め付けられます。
ごめんな。

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2018年7月 9日 (月)

保育園へ歯科健診へ行ってきました。

7月5日の午前中の診療終了後に保育園へ歯科健診へ行ってきました。
保育園の場所が近いはずなのに、全く分からなくてちょっと焦りました。
保育児約10名を診せていただきました。
分かってはいたけど、まだ体が小さくて、ふにゃふにゃ(笑)。
小さいのに児童にはキチンと個性があるのです。可愛いです。
パカって口を開いて、微動だにしないお子さんもいますし、最初から泣いちゃうお子さんもいる(笑)。
健診自体は直ぐに終了し、その後別室にてお子さんの歯の相談というか雑談をして帰宅しました。
来年はどのくらい成長しているか楽しみです。

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2018年5月21日 (月)

プール清掃!(PTA奉仕作業)

昨日の日曜日の朝8時から子供たちのプール開きの為の清掃がありました。
このプールの清掃は5、6年生のPTAが対称みたいで、私も娘が今年から5年生(早いな〜〜ほんとに)なので、参加資格を得る事が出来ました。
いつもは診療があるので、学校の行事の参加率が低いのですが、日曜日くらいは・・・・・って事で参加させて頂きました。
朝の8時に学校集合って事で、日曜日ですがいつもと同じ時間に起床(苦笑)。
それから、プール掃除って事で、ビーチサンダルと半ズボン、濡れても大丈夫で暖かいウィンドブレーカーをリュックに詰めて、自転車で学校へ。
プールは自分が想像していたよりも汚れていました。そりゃ、ほぼ1年雨ざらしですから、落ち葉やゴミがプールサイド及びプール内に溜まるのは致し方ないですよね。

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アメリカの映画の様に定期的に清掃員がプールの中の落ち葉を拾ってくれる訳ではありませんから。
プールの清掃前にはPTA会長と校長先生、体育主任よりプールい清掃の進め方のレクチャーがありました。
プールのレクチャーは以下の通り。
(前の日までにプールサイドの落ち葉の片付け及びプールの水抜き、高圧洗浄機によりザックリと汚れを落としていたみたいです。)
1:プールサイドの清掃:10名程度
①デッキブラシで並んで汚れを落とし、高圧洗浄機で清掃
②後ろからバケツで水を流す。
2:更衣室・トイレ:教職員中心に10名程度
①コースロープを南側フェンスにかける
②ベンチを更衣室前に出す
③更衣室・トイレの清掃をする

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④ビート板やヘルパーを水洗いする

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⑤水深調整期(?)を洗う
3:シャワーエリアを清掃する:教職員2〜3名
4:本体を洗う:40名程度

①オーバーフローの部分のゴミを取り、バケツで流す(ホースを使っても可)
②側面を並んで、デッキブラシやたわしで汚れを落としバケツの水で流す
③床面を全員で中央に向かってゴミを集め、汚れを落とす


という手順で行います。
私はプール本体を担当したのですが、とにかく落ち葉やゴミがプール中央の排水溝に詰まっていてそこを中心に汚れが広がってる感じなのです。

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教職員と2〜3人のPTAの方(本当に頭が下がります。素晴らしい)が中心となって汚れ仕事(本当にこの言い方がふさわしい)をこなしてくれます。
我々はプールサイドやプールの壁等をデッキブラシでゴシゴシと汚れを落としていきます。
ほぼ50分くらいで中央の排水溝の詰まりが取れるや、ゴ〜〜っていう音と共に泥水が中央に集まり、あっという間に綺麗に成っていきました。

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やはり、中央の排水溝の詰まりが今回のプール掃除のボトルネックだったですね。
仕事でもプール掃除でもボトルネックを解消し、流れを引き戻すと事は早く解決するんですね(苦笑)。
予定していた90分でしたが、約60分で終了。
私は慣れない全身運動で急に疲れが増してしまい、急いで自宅に帰り、お昼まで爆睡してしまいました。
ほんとに体力付けなきゃまずいね。

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2018年1月11日 (木)

嬉しい時。

どんな時でもそうなのですが、誰かが自分を頼ってきてくれるのは嬉しいものです。
昨晩も嬉しい事があったのです。
私は、自宅に診療所が併設しているので、殆ど外出をせずに生きています(笑)。
そのため最近は子供を誘って近くに目的もなくドライブをするのが楽しみです。
昨日も仕事終わりに自宅に戻り、娘の宿題が済むのを待ってドライブに出かけました。
自宅周辺をぐるぐる回り、ヤマダ電気に立ち寄りました。特に買う物があったわけではなかったのですが。
その時に、娘が「なんだか、歯が抜けそう。パパ、抜いて」って突然言ってきました。
私が、自宅に戻ってから抜こうって提案してのですが、車の中で良いって言い張ります。
もうグラグラだし、麻酔するまでもないって。しかし、自分では怖くて抜けないってことなのです。
で、車の中で歯を掴んで抜こうとしたのですが、車中は暗くて、しかもポジションも悪くて思うように掴めません。きちんと把持して抜かないと痛いから。
で、やはり自宅の診療室で抜こうねって事になりました。
診療室で、抜歯鉗子で歯を把持しただけで「ポロッ」と抜けました。
どうして、今日そんなに急いで抜きたかったの?って聞くと、
「だって、今日の夕飯は唐揚げだから、美味しく食べたかったんだよ〜」。
抜歯の動機が唐揚げだったとは。
抜歯止血後、美味しそうに唐揚げをほおばる娘に笑みがこぼれました。
「パパ、食べずらいよ〜〜」
知らんがな(笑)

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2017年10月12日 (木)

変顔は止めて!!

矯正治療というのは実に奥が深く、愉しい学問だな〜と最近になって思うようになってきました。
話しはちょっと離れるけど、矯正治療は丁度サスペンスの小説を読んでいる様な気がするのです。
サスペンスの鍵は、文章中に隠れるヒントを頭の中の棚に丁寧に重ねていって、読者が勝手に分析し、「犯人はこの人に違いない」と確定診断を行い、その答えに向かってページを括り読み進む。
自分の推測が当たった場合は、「ほらね、思った通り!」と独りごちしたり、自分の推測が見事外れた場合は、「うわ〜〜、なにこのどんでん返し。やられた面白い!」とニンマリしてしまう。
矯正も患者さんの骨格や歯列、噛みしめ、歯ぎしり、顎関節症状といった人体に隠れるヒントを探して治療診断を立てて、治療を行っていく。
インプラントの治療の様なスリルは少ないけど、地道な診断の積み重ね。
それには、患者さんの口腔内の記録や顔の変化をこまめに記録してまとめる事が必須となります。
このまとめながら、次の治療計画を立てる時が今は至極の幸せ。
とても愉しい。
ただ、最近の子供たちは顔の写真で、「では、口を閉じて真っ直ぐこのカメラを見てくれる」と注文を出すと、注文通りに真面目に撮影に応じてくれます。
しかし、「すこし歯が見える様に笑ってくれるかな?」とリクエストを出すと、先日のお子さんは、いつも変顔をするのです。
「いや、いや、変な顔しなくてもいいよ、ただ、歯をみせて、ニッと笑ってくれるだけでいいなら」と何度お願いしても、「ニカ〜〜ッ」と変顔するのです。
今、その顔写真を資料にまとめているのだけど、腹筋がちぎれる程笑ってしまいます。
もう、勘弁してよ(大笑)。

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2017年7月17日 (月)

自宅での歯の健康は誰が守る!?

最初から言い訳っぽい感じで今回のブログはスタートします(笑)。
朝からずっと夕方まで患者さんの歯を見続け、治療と治療の合間の時間は歯の資料や歯の写真の整理を行い、夜も次の日の患者さんの事などを考えて生活していると、歯医者では無い時間帯(夕飯から残業の無い時間帯)は、歯の事を考えたくないのです。ほんとに。
そのため、家族の歯の健康は、私の妻が担っています(笑)。
妻も子供の宿題を見たり、歯科医院の事務の仕事や家事をやったり、相当忙しいのに、私よりも使命感をもって熱心に子供の歯を磨きます。
ほんとに頭が下がります。
ご苦労さまです。
(「料理人は自宅では料理をしない」って例えは、私の場合にも当てはまるみたい。)

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2017年7月 6日 (木)

子供との信頼関係

友人のS先生がFacebookにて『子供の注射 親がつくウソに小児科医が忠告 「信頼関係を失う」』という記事を載せていました。
とても共感出来たので、シャアさせて頂いたのです。
その記事にはこんな事が書いてありました。
それは小児科医のツイートに関する記事で、そのツイートにはこんな事がつぶやかれていました。
《小児科研修中に、上の小児科の先生に教えられた事。
「注射は痛くないなんて嘘はついたら駄目。痛いけど痛いのはすぐ終わる事、体のために注射が必要だって事を、小さい子供でもきちんと話し合う。そうしないと、信頼関係を失うよ」
というわけで、娘にも毎回説明してから予防接種行ってます。》


《だまし討ちをすると、子供は賢いので親との信頼関係も、病院との信頼関係も損ないます。それは悲しい事です。(当日一番辛い思いをするのは本人です)
一旦病院嫌い、医者嫌いを刷り込まれると、なかなか払拭できず、次の受診が更に辛いものになる事も。
嘘だけはつかないで欲しいな、と。》



このツイートの様に、保護者の些細な一言で、その後の治療が非常に困難になってしまうケースは、小児を扱う医師は全て経験していると思います。
歯科医院で多いのは抜歯の際の注射と歯を削るときやエアー(空気)で歯を乾燥させるときなど、刺激のある治療の際だと感じています。
些細な事ですが、重大なこと。

2017年4月26日 (水)

やり直しのきかない年齢


息子が宿題をしている事を観察していると、難しい問題に直面すると3つの対応が有ることに気がつきました。
1:好きな課目でチェレンジしたい時は真剣に頑張って回答を得ようとする。
2:嫌いな課目、もしくは難しいと思った宿題は何とか親に手伝って貰おうとする。
3:最初からやる気が無く、問題を飛ばしてしまう。
ざっくりいえばこのパターンで毎日の宿題問題が展開していくのですが、考えて見れば自分もこんな感じでしたよね。もしかすると私よりマシかもしれません。
息子は帰宅すると宿題を終わらせないと遊びに行きません。嫌な事は最初にやってしまいたいみたいだから。私は夜中まで宿題を放置していましたから(苦笑)。
では、大人には宿題はないのでしょうか?とふと考えました。
もちろん有ります。しかも大人の場合の宿題とは仕事を示すと思うのですが、必ず責任と契約がつきまといます。
その責任と契約の合間に自分のチェレンジしたい事を学習したり勉強したりしないといけません。
年齢的に仕事に関する事ではやり直しのきかない年齢になってきたと思っています。
歯科の技術を物にしよと思うと、今までの経験から最低でも5年。自信をもって行えるまでには10年は掛かります。
だから、新しい技術を修得しようと思ったら、背水の陣で望まなければいけないと思っています。
噛みついたら、最後まで頑張る。やり始めてから「俺、これは向いていないわ」ってはもう言えないのです。
放り投げてしまうと、大事な時間、寿命までも捨てることになってしまう。
だから魅力的な治療法が幾つも紹介されてきていますが、今修得しようとしている技術に自信が持てないと次には行かないようにしています。
一つの技術を修得しようとすると一緒に高額な機材も購入しないといけないですからね。
ただ、齢を重ねてきたため、自分のやりたい仕事を選ぶ『目』は自信を持てるようなっているので、馬鹿な失敗は減ってきていると思いますけど。
息子を観察していて羨ましいのは、やり直しがどんどんきく年齢。沢山失敗して、沢山経験して家族を持つ前に自分の「天職に出来る何か」を見つけて欲しいと思います。

2017年3月19日 (日)

息子の歯の治療

先日突然、息子が歯が痛いと言ってきました。

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最初は、歯ぎしりなどが原因で痛がっていると楽観していました。
すこし、調整したけど、また痛みがぶり返す。
最後は最初の写真の様に立ち上がることも出来ない。
これはもしかしてと思ってレントゲンを撮影して調べて見れば、大きな虫歯。
しかも私が過去に治療した場所。
父親として反省しきりです。
その後、だんだんと痛みが増してきて、ついに神経を取る処置をしなければならなくなりました。
息子に麻酔をしながら治療をしたのですが、治療中はずっと泣いていました。
しかし、絶対に手で治療を遮らなかったし、暴れなかったし、口を閉じることもありませんでした。
これは、恐怖と戦う中で結構立派な事では無いかなと自分の息子だから言うわけではありませんが、感じました。
親として痛かったろうなと思います。
かわいそうだったとも。
しかし、自分の子供の治療が出来て良かったです。
子供の患者さんの親御さんはこんな気持ちで我々に託していると思ったら、気持ちが引き締まりました。
こんな大切な事に気がつかせてくれた息子よ、ありがとう。
2枚目の写真は、ママに宿題のヒントを教えて貰いながら「お風呂にはいりたいよ〜〜」の図。

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2017年1月27日 (金)

過保護治療

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娘の矯正を行ったら痛みが酷くて、しくしくと泣いていたというブログを書きました。 次の日に親ばかでブラケットからワイヤーを外してしまいました(汗)。 痛みの原因というのが、歯肉にワイヤーが当たって痛いということだったのです。 そこで、ネットで探しまくり、ワイヤーに装着する事が出来る極細の身体親和性の高いシリコンチューブを発見。 早速購入。 そこで娘のワイヤーに通して見ました。 これで、娘の矯正の痛みが減ったら、一般の患者さんにも応用しようっと。 結局、娘を人体実験にしてしまった。 まあ、結果オーライ。

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2017年1月20日 (金)

親には辛い治療

今、娘の矯正を自分でしているのですが、いよいよワイヤーを歯に付ける治療を行いました。
ワイヤーを付けるまでは顎位を整える治療をしていたのですが、それも一段落したためのワイヤー装着です。
しかし、このワイヤー装着後の歯の痛みは、慣れないとかなりの痛みらしいですね。
娘が治療後、自宅に戻ってから、痛みをこらえていたのですが、そのうち、しくしくと泣いてしまいました。
しかし、娘が「私、頑張る」と私に気を遣ってくれる一面もみせて、親としては辛い夜になりました。
はやり歯を移動するという治療は、冷静に考えても痛いはずです。
娘の横で、娘を気遣う奥さんも「最初はしょうが無いから、がんばろう」って勇気づけてくれました。
しょうが無いとは分かっているけど、自分の子供に痛い思いをさせるのは辛いですね。
まだまだ根っからの矯正治療は気持ちの面で出来ていないのかもしれないです(苦笑)

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2016年12月17日 (土)

この季節になると・・・。

12月になると当院も必ずクリスマスバージョンになります。
待合室の白熊も冬支度。
何だか気分が上がりますね。
この間恒例の話しを子供たちに話しました。
私:「パパとママはサンタさんから子供のよい子にしてたかを成績表に付けるように言われているんだよ」って。
私:「その成績表次第でプレゼントの大きさが決まるんだよ」
息子:「パパって英語でサンタさんと話しているの?すげーなー」って感心しきり。
私:「いやいや、日本語でメールでサンタの日本支社へ送るんだよ、サンタも忙しいからね」
娘:「パパ、そのサンタさんの日本支社ってAmazonの中にあるの?」
私「大汗・・・・そんな分けないじゃないか、Amazonとサンタさんは別だよ。だけど、忙し過ぎる時はAmazonがサンタの代行してくれるって聞いたことがあるよ」
皆さんもこんな会話を子供たちとしていますよね。
だって、本当の話だもの(笑)。

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2016年12月16日 (金)

KOデンタルショー

昨日のブログ「緊急事態」のその後です。
無事、会場である東京ビックサイトへ到着し私の担当の今泉くんと合流するために、彼のLINEへ連絡。
しかし、彼からの連絡はありません。

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仕方が無いので、子供たちと一足先に会場内へ。

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それから10分後くらいに今泉くんと合流出来ました。
これだけ会場がデカいから直ぐに合流するのは困難です。迷うのもうなずけます。
このKOデンタルショーの良いところは子供の遊び場がキチンと管理されていること。
本当は、奥さんと合流し、子供を預けてから購入する機材や材料を見て回るはずだったのですが奥さんから「本日ギブアップ宣言」のメール。今日は奥さん無しの子供たちとの少旅行となりました。

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こればかりは仕方が無いので、子供を連れて機材の商談へと望みました。
今回は長年の夢でしたレーザーを購入しました。
ビックリするほどの値引きがあったためなのですが、今後の診療の幅が広がるかと思うとワクワクして来ます。
会場内はかなりの来客数があると見えて、観てみたい展示ブースの前には黒山の人だかり。とてもじゃないけど子連れで、じっくりと商品を見ている余裕がありません。

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仕方がないので、事前に決めてあった商品だけに絞り、どんどん購入していきました。
ほとんどが、消費系の機材です。毎年、このデンタルショーに的を絞り購入している物ばかり。
約1時間で買い物終了です。
その後は会場内に設置されている子供の遊び場スペースでマジックショーを観て会場を後にしました。
その後はお台場で少し遊び、くたくたになりながら早めに福島へ帰宅いたしました。

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なかなか疲れましたが楽しい親子3人の小旅行でしたよ。

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2016年9月14日 (水)

妊婦後期の歯科治療

出産間近の歯科治療は、専門の施設で行った方が安全な事が多いです。
出産間近の妊婦さん(後期)とは一体いつからを指すのかと言えば、妊娠8ヶ月から出産までの期間を示します。
この頃になるとかなりお腹も大きくなり、これまで以上に体に負担がかかってきます。
歯科治療に関して言えば、一番大事なのは妊婦さんの体調(貧血、腰痛、お腹の張り)に留意して、こまめに休憩して短時間で済ませなければいけません。
歯科治療では「母子の安全が最優先される」という大前提を考慮して、痛みが出そうな歯の治療は妊娠中期(妊娠5〜7ヶ月)までに終了させておくことが重要です。
また、妊婦さんに高血圧症候群や切迫流産、妊娠糖尿病などの合併症のある場合には、主治医である産科医に全身状態の問い合わせをしながらの治療となります。
もしくは、最初に書いた通り、通院している病院に歯科がある場合は、そちらの歯科にて産科の先生と相談しながら治療を行う必要も出てきます。
妊娠後期になると現れる母体の状態としては、胎児がいるためエネルギー配分が変化し、母体の脂肪から作られるブドウ糖が胎児に優先的に送られるため、ケーキやチョコレートなどの甘い菓子類を頻繁に食べるようになります。また女性ホルモンの分泌量もピークを迎えるため、口腔衛生が不十分な状態では虫歯や妊娠性歯肉炎のリスクが高まります。

2010年8月20日 (金)

歯磨きは痛いものと思わせてはいけない。

Htbookcoverimage 今日は、坂本洋介先生の著書『元気でキレイは口もとから~アンチエイジング歯科のすべて~の中から、子どもの歯磨きについての抜粋です。

◇歯磨きは痛いものと思わせてはいけない

歯が生えはじめたら、子どもに歯磨きの習慣を身につける工夫が必要です。乳歯はいずれ生えかわりますが、大切な役目をもっています。

しっかりと噛むことによって脳に刺激を与え、脳の発達を促したり、言葉の正しい発音に影響し、顔の筋肉の発育を促します。

また、顔の調和を整え、永久歯が正しい位置に生えてくるための目標にもなります。

少し大きくなった子どもたちには、歯磨きが嫌いな子が多いようです。その理由には、親の最初の歯磨きの指導が間違っていたことが挙げられます。

嫌がる子どもを押さえつけて、強引に歯ブラシを口の中に入れて磨いて、痛い思いをさせていませんでしたか?

「歯磨きは痛いもの、つらいもの」と最初に思い込ませてしまうと、あとから改めるのは容易ではありません。「歯磨きは気持ちいいもの」と実感させるには、次のような方法で歯磨きをさせてみるのがいいでしょう。

①まず口の中がよく見えるように、子どもを寝そべらせて頭をひざの上に乗せます。生え始めのころは、ガーゼや柔らかい布で優しく歯の表面をぬぐってやります。口の中に物をいれることに慣れさせるためです。

②次に、軟らかめの歯ブラシで力を入れすぎないようにして、隅々まで磨きます。泡がじゃまになるので、歯磨き剤は使わないようにします。キレイに磨けると歯の表面はすべすべして気持ちよくなるので、子どもは喜ぶはずです。子どもが喜ぶ歯磨きが出来れば100点です。

また、子どもに歯磨きの習慣を身につけさせるときは、オレンジ、アップルなどフルーツ味の子ども用歯磨き剤で歯磨きの楽しさを感じさせるものもよいでしょう。

参考文献 元気でキレイは口もとから~アンチエイジング歯科のすべて~ 北海道新聞社

2010年6月11日 (金)

バンボ ベビーソファ

418z3n0ahml__aa300_ バンボベビーソファってご存じですか?

私がこの子供用のイスをしったのは、偶然、患者さんが持参したのがきっかけでした。

その患者さんは、まだ小さいお子さんを治療室に連れてくるときに、この『バンボ ベビーソファ』を抱えて入ってきました。

よちよちと動いてしまうお子さんを、このイスにピタッと合わせて座らせてしまうと、子どもの首が安定し、身動きがとれなくなるのです。しかも、子どもも窮屈ではなさそうで、むしろ楽しそうです。

これは、すごくいい物だと実感。

私の子どもも、ちょうど首が据わったばかりなので、試しにとこのソファを購入してみました。

寝転んでばかりだと、退屈してしまっていた時なのか、ニコニコと笑いながら、おとなしく座っているではありませんか。1944

親として、うれしくなってしまいました。

うちの子どもが使わなくなったら、診療室に常備して、小さいお子さんが動かないように座らせて置こうかしら・・・。

2010年2月20日 (土)

虫歯の伝染経路

本日は、カトレア柴田歯科院長 柴田征紀先生の著書『子どもの歯ならび基礎のきそ~成長を生かして無理なく美しく~』よりお届けいたします。

◇虫歯は人から人へうつります。

人はなぜ、虫歯になるのでしょう。

よく歯を磨かないから?

甘いものをよく食べるから

食べかすがたまるため?

遺伝的で歯が弱いため?

どれも関連性はありますが、正解ではありません。

虫歯は細菌により感染症で、虫歯の菌に感染した結果、虫歯にかかってしまうのです。私たちにとって最も身近な感染症といえるかもしれません。

インフルエンザのように全身症状を引き起こすものとは違うため、通常の感染症とはイメージが異なるかもしれません。

虫歯を引き起こす細菌は、口の中で活発にする細菌で、歯の表面のエナメル質にとりつくという特殊な性質を持っています。

◇虫歯菌の伝染経路

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中はとてもクリーンな状態でミュータンス菌は存在しません。

しかし、成長とともに乳歯が生えてくると、その乳歯が虫歯になってしまうお子さんがたくさんいます。存在しなかったはずのミュータンス菌はどこからやってきたのでしょうか。それは赤ちゃんの最も身近にいるお母さんの口の中からなのです。

お母さんとお父さんは、とくに乳幼児の頃というのは一心同体のように非常に密着して生活しています。そうした生活の中でお母さんの口の中のニュータンス菌がお子さんに感染してしまうのです。

食事のときに同じ箸を使ったり、同じスプーンやフォークで食べたり、あるいは同じ食器で食べたりといったことから、知らないうちに、虫歯菌はお子さんの口の中に感染してしまったのです。

とはいえ、赤ちゃんを無菌室ででも育てない限り、虫歯菌に感染させないということは無理な話です。

ですから、あまり神経質になることなく、丁寧な歯磨きなどでご自分の口腔ケアに気をつけながら、お子さんの口の中の状態にも常に気を配って、お子さんの口の中の管理をしていただければよいと思います。

参考文献 子どもの歯ならび基礎のきそ~成長を生かして無理なく美しく~ 柴田征紀著 海苑社 

2010年1月27日 (水)

どうしてうちの子だけむし歯に?~最近の考え方

本日は、田中英一先生他の著作である『お母さんの疑問に答える すこやかな口 元気な子ども~小児歯科医からのメッセージ』よりお届けいたします。

◇歯磨きしているのにむし歯になる!

診療室にいらっしゃるお母さん方のなかで、お子さんのむし歯が見つかると、「歯磨きしているのに、どうしてうちの子はむし歯になるのでしょう?」と方を落とされる方がいます。

家庭での生活の様子をよく聞いてみると、一日に朝晩2回はお子さん自身が歯が磨いているようです。それだけ聞いていると、ナルホド、お子さんの歯に関心をもって生活しているようです。

しかし、お母さんは、「うちの主人は歯が悪く、私も小さいころからむし歯で苦労しているので遺伝でしょうか?子どもがむし歯になっても、しょうがないとあきらめています」と言います。

実際に、遺伝的に歯の質が悪く、どうしてもむし歯になってしまいやすいという人はいますが、私が臨床に携わっている30年近くでそういう方に遭遇したのはごく希でした。

最近のお母さん方は、自分の経験を含めて、知識や情報をよくおもちです。がしかし、それらが本当に正しいことなのか、ここでよく考えてみましょう。

◇実は生活習慣病

平成17年の厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、近年では乳歯の健全な歯の割合が増えてきており、全くむし歯のない乳幼児に割合も増えてきています。それには、いろいろな要因がありますが、一つは保護者たちの口腔保健に対する意識が高くなってきたことが上げられます。家庭でのケアやかかりつけの歯科医をもつことなど、大人を含めて、以前とはかなり違う状況です。

しかし、一方で、社会全体のIT化が進み、スピーディーで、コンビニエンスな生活様式が喜ばれ、ストレスの多い社会になっているのも事実です。そのなかで、日本人の生活は深夜化し、生理的な生活リズムに狂いが生じてきています。子ども達もその影響を受け、文部科学省、日本学校保健会の調査などでも「こどもたちの生活時間の大人化」に警鐘を鳴らしています。

子どもたちの健全な成長を考えると、とても心配な状況です。それに加えて、保護者が保護者の便利さを子どもに押しつけて、子ども達にとっては本来好ましくない生活習慣を余儀なくされていることが多々見受けられます。

たとえば外出時に、周りに迷惑をかけないよう、静かにしていてもらいたいがために、子どもの口にアメを放り込んだり、お菓子を箱ごと子どもに持たせて、自由に食べさせている、といったことなどです。

診療室にいらっしゃるお母さんた方に聞いてみると、「その時は、アメが“黙らせ薬”のように感じていた」と言っていました。

現代のように、予防歯科医学が進み、保護者たちの知識や意識も高まってきた中でのむし歯の原因は、普段の何気ないことのくり返し、つまり生活習慣から発生することが多いのです。

現に、厚生労働省では、歯肉炎、歯周病は「生活習慣病」としていますし、文部科学省では、歯肉炎、歯周病だけでなくむし歯も生活習慣病として子ども達に指導しています。

参考文献 お母さんの疑問に答える すこやかな口 元気な子ども~小児歯科医からのメッセージ 田中英一先生他著 医歯薬出版 

2009年12月 5日 (土)

どうして同じ本ばかり読んでもらいたがるの?

本日は、ジェイナ・マーフィ著の『うちの子、どうして同じ服ばかり着たがるの?』よりお届けいたします。

◇どうして同じ本ばかり読んでもらいたがるの?

幼い子どもの親なら、もう何度となく読み聞かせている本が一冊や二冊はあるでしょう。

あまり何度も読んだので、文章はすっかり頭に入っているかもしれません。それでも読み聞かせるたびに、子どもは顔を輝かせて聞いているはずです。

親は、子どもが本に興味を示すとうれしいものですし、将来、優等生になるかもしれないと期待してしまいますが、本を読み終えて「おしまい」と言ったとたんに、「もういっかい!」と言われると、同じ絵本ばかり読み聞かせていて意味があるのだろうか、と思い始めます。

でも、心配はいりません。初期の読み書き能力を研究する専門家のほとんどが、その問いにイエスと答えています。

子どもが同じ本を何度も読んでもらいたがるのは、子ども自身にとっても、発達の面でも、もっともな理由があるからだ、とリザベス・ディラー博士は言います。

「本の読み聞かせは、子どもの潜在能力を最大限に引き出し、発達させるためには、親がしてやれる一番大切な仕事の一つです。そもそも読み聞かせには、いくつかとても重要な効用があります。その一つは、親子が特別な時間をもてることです。また、ものごとの連続性を教えることが出来ます。物語には、始まりと中間と終わりがありますから。さらに、読み聞かせによって、本は楽しめるものだということを教えられます。」

また、十分に読み書かされて育った子どもは、そうでない子どもより、早く字が読めるようになるとも言われています。

子どもは、異なる本をたまに読んでもらうよりも、同じ本を何度も繰り返し読んでもらう方が、たくさんのことを学ぶようです。

まだ、幼稚園に入る前の子どもにとって、本に書き出されるのはあまりに未知の世界ですから、何度も読んでもらって初めて、物語の内容になじみ、使われている単語を覚え(ただし覚えられるのは一度にひとつか二つ)、また自分が見ている絵と聞いているお話を関連づけられるようになるのです。

その関連づけができるようになるには時間がかかり、だからこそ、繰り返し同じものを読み聞かせるのにうんざりしはじめたころ、子どもが安心してその本の世界に入り始めることも少なくありません。そして、そのころにはんて初めて、つぎのページで何が起きるかを予想できるようになり、ときには次の単語を覚えていることもあるのです。

「大好きなページがつぎに控えていることを知っている子どもの期待感が、手に取るように感じるでしょう。何かが起きよいとしていて、その何かを知っているというのは、子どもにとってはとても満足すべきことなのです。それは、子どものなかにとてつもなく大きな自信を植え付けてくれます。」とハインズ・ベリー博士はいいます。

◇だから・・・

*何度もくり返し読み聞かせよう

一日に三回、四回と同じ本を読まされたら、いいかげん逃げ出したくなるかもしれませんが、それによって得られる長期的な見返りは、ひょっとしたら途方もなく大きいかもしれません。

さまざまな研究によって、三歳までに日常的に本を読んでもらった子どもは、そうでない子どもよりも、学校の成績がよいことが証明されています。

ディラーラ博士が説明するように、「本を読めば成績がオールAになるというわけではありませんが、読み書きが子どもの能力を最大限発揮させる手助けになるのは確かです」。

事実、学齢に達する前に本を読んでもらった(あるいは読んだ)経験が多いほど、読解力のすぐれた子どもになり、その傾向は小学校に入ってからもすっと続いています。

*子どもが選ぶ本でわかること

どんな本を選ぶかによって、幼い子どもの心のなかを推しはかれることもあります。

ハインズ・ベリー博士によれば、癇癪を起こしやすい子どもは、モーリス・センダックの『かいじゅうたちのいるところ』をくりかえし読んでもらいたがるといいます。

その本が癇癪を起こしても大丈夫だと認識させてくれるからです。子どもがある特定の一冊にこだわるようなら、その本にしかない魅力は何なのかを探ってください。多くの子どもにとって、自分ではコントロール出来ない感情(例えば恐怖や嫉妬)を扱った本をくり返し読み聞かせることで、彼らがその感情を克服するのを助けられるかもしれません。

*読み聞かせは楽しく

子どもはあなたの声が大好きで、あなたと遊ぶのが大好き、そしてあなたの愛情を自分にだけに向けてもらえるのが大好きです。読み聞かせの時、あなたの声音を変えたり、小道具をつかったり、子どもに参加させて楽しませることが出来たら、彼らは読書について一番大事なことを学び、自分でも本を読んで見たいという気持ちになるでしょう。

参考文献 うちの子、どうして同じ服ばかり着たがるの? ジェイナ・マーフィ著 草思社  

2009年11月10日 (火)

小児虐待の早期発見に

本日はデンタルトリビューン氏2009年11月号よりお届けいたします。

◇小児虐待の早期発見に~小児歯科への大きな期待~

(英国)小児歯科医は小児虐待を見つけるキーパーソンの一人と考えられており、英国において子供の歯科治療放棄(デンタル・ネグレクト)に関する政策書が作成された。

Warwick大学、Sheffield大学およびLeeds大学歯科研究所による共著であり、このような政策書は欧州初とのことである。

◇デンタル・ネグレクトを見逃すな

児童虐待は大きく分けて、①子供に危害を加える虐待(身体的虐待、性的虐待、心理的虐待)②生活上必要な配慮を怠るネグレクト-の2つがある。

これまでに虐待を受けている子供はそうでない子供に比べ、歯科疾患の未治療率が高いことを示す調査結果が得られている。デンタル・ネグレクトは口腔衛生を損ない、子供の健康に甚大な影響をもたらす可能性があり、激しい痛みや睡眠不足、さらには体重の減少や身体発育の遅れまで引き起こす危険性がある。

Warwick大学小児科准教授のPeter D .Sidebotham氏らは、「デンタル・ネグレクトの徴候が、より広範なネグレクトや児童虐待の危険信号を意味する可能性がある」と指摘し、「小児歯科医は子供を治療する際に、そいった徴候を見逃さないよう注意して観察してほしい」と述べた。

◇対応は困難、児童保護の専門家へ

同政策書では、デンタルネグレクトが疑われる子供を評価する際に考慮すべき要因として、う蝕の評価や保護者の観察、治療癧の確認、診療における児童の反応など、多数列挙。また、歯科医療チームとしてそれらにどのように対応するべきかについて教示している。すべての歯科医療関係者は定期的に児童保護研修を受けるように呼びかけており、虐待やネグレクトの徴候の見分け方、そして、児童虐待の懸念がある場合の具体的な対応法に関する研修が必須であるとしている。

一方で、児童保護研修を受けている歯科医師は多いが、実際に児童虐待が行われるケースに対して、研修で学んだことを実践するのは困難だということが報告されている。

このため、もしも児童虐待が少しでも疑われるケースに遭遇した場合は、児童保護の経験がある他の医療従事者にアドバイスを求めることや、児童保護サービスに委任することが推奨されている。

2009年10月11日 (日)

乳歯のうちに治しておきたい噛み合わせ2

本日は、昨日に引き続き、『口腔の育成をはかる~こんな問題に出会ったら   生活者とともに考える解決法~』(佐々木洋先生ほか編)の中から、嘉ノ海龍三先生の著作分よりお届けいたします。

◇こんな習慣は要注意

噛み合わせに関しては、以下の習慣に注意しましょう。

①頬杖をつく:顎の成長期に、頭の重みを顎骨の特定の部位で長時間にわたって支えることが続けば、それに応じた骨の変形が起こってもおかしくありません。頬杖の付き方にも個人差があり、手をあてがう部位によって、加えられる力は異なり、変形も異なります。歯列の狭窄や顎の偏位として表れる場合があります。

②睡眠時の横臥歯性:うつ伏せだと、頭を左右どちらか一方向に傾けて眠るしかなく、枕の当て方によっては、一日8時間、頭の重みが顎骨の一方の側面にかかることになり、変形が起こると考えられます。

以上のような習慣が長期間続けば、軽度の変形に留まらず、顔面の非対称や顎関節に影響を及ぼすこともありますので、注意が必要です。

◇よりよい咬合をめざして

不正咬合の原因が明らかで、それをあらかじめ取り除けるのなら、本来の意味での予防は可能です。

しかし、吸指癖による開咬などの場合以外では、不正咬合の原因というのは特定出来ることが少なく、多くの場合、種々の要因が関与していると推定できるに留まります。

そのため、不良習癖の除去などに加えて、初期の異常が新たな異常を招いたり増悪することを防ぐための、早期の治療が大切であると考えられます。

乳歯歯列の治療は比較的短時間で、単純な装置で行うことができます。乳歯列期においては以下の点が大切です。

①う蝕の発生を抑制し、健全な乳歯列と乳歯咬合を育成する

②咬合に悪影響を及ぼす習癖を除去する

③反対咬合や臼歯部交叉咬合など、咬合干渉がある場合、早期に取り除く。

骨格的にバランスがとれ、上下顎の歯がしっかり咬合して、はじめてよく噛んだり、力を入れてくいしばることが出来ます。

つまり、しっかりと咀嚼筋、口腔周囲筋を使うことが出来ます。このようにしっかり機能させることが口腔環境を整え、よりよい発達を促す効果をもたらしてくれるでしょう。

参考文献 口腔の育成をはかる~こんな問題に出会ったら   生活者とともに考える解決法 佐々木洋先生ほか編の中から、嘉ノ海龍三先生の著作分 医歯薬出版

2009年10月10日 (土)

乳歯のうちに治しておきたい噛み合わせ1

本日は、『口腔の育成をはかる~こんな問題に出会ったら   生活者とともに考える解決法~』(佐々木洋先生ほか編)の中から、嘉ノ海龍三先生の著作分よりお届けいたします。

◇不正咬合の成り立ち

不正咬合とよばれる噛み合わせや歯並びの異常は、さまざまな要因が重複しあうことで発現します。その要因は、遺伝的・先天的要因と、環境的要因に大きく分けられます。

さらに、環境的な要因のなかにも、内分泌の異常や栄養障害による全身的なものと局所的なものがあります。

乳歯列期で関係のある局所的な要因には、乳歯の早期喪失、咬唇癖、吸指癖、舌突出癖、口呼吸、異常嚥下、おしゃぶりの常用、睡眠態癖、舌の形態異常、小帯の異常、歯と顎の不調和、鼻咽腔疾患、顎関節の疾患、その他の外傷など数多くのものがあげられます。

◇乳歯列から対応したい不正咬合

日本人における発現頻度は反対咬合、過蓋咬合、開咬の順に高いといわれます。

乳歯列の反対咬合には自然治癒の可能性が高い歯性のものと、自然治癒の可能性の低い骨格性のものがあります。自然治癒しない反対咬合は、混合歯列や永久歯列期になると著しく悪化する傾向にあり、乳歯列のうちに前歯の噛み合わせを改善しておくことで、その後の顎の成長に寄与する可能性があると考えられています。

乳歯列期には骨格性の反対咬合はもちろんのこと、いずれの場合でも、前歯の被害を改善し、上下顎の近遠心的関係を良好な状態にすることが臨床的に望まれます。

乳歯列期の開咬の多くは、吸指癖を主とする口腔習癖が原因といわれています。ですから、一般的には口腔習癖を中止させて自然治癒を促すことが第一ですが、必要に応じて口腔周囲菌のバランスを整えるために筋機能訓練を行うことが望まれます。ただし、鼻疾患など、ほかの疾病が関与するものに対しては、原疾患への対応が必要です。

乳歯列期の上顎前突も吸指癖によるものが多く、同時に上顎歯列弓の狭窄を認めることもあります。この場合、まず吸指癖の中止をはかり、次に上顎歯列弓の側方拡大などをおこなう方針が考えられます。この場合も、必要に応じて口腔周囲筋のバランスを整えるための筋機能訓練が有効です。原因が重複するため、乳歯列期には、開咬と上顎前突が併発している例が高頻度に見られます。

乳歯列期に改善しておきたい噛み合わせの1つに、乳臼歯部の歯冠崩壊や早期喪失を原因とする過蓋咬合や、下顎遠心位を伴う著しい過蓋咬合があります。このような噛み合わせでは、下顎の成長は抑制され、顎運動も制限される状況が考えらるため、早い時期に対応していきます。

次に問題となるのは交叉咬合です。。正常咬合では、上顎の歯が下顎の歯の内側に位置して咬合することをいいます。交叉咬合には、偏側性と両側性があります。噛み合わせのずれや歯の傾斜による交叉咬合と、上顎歯列が狭窄、あるいは下顎歯列が拡大している骨格的な交叉咬合に分けられます。

交叉咬合が放置された場合、成因に関わらず自然治癒する可能性は低く、歯の交換、顎の成長とともに歯列の左右の非対称性は著名になり、顔面の非対称性を呈したり、顎関節の機能や形態に障害を及ぼす危険性が高いと考えられています。

機能的な面においても、反対咬合や交叉咬合、また部分的な咬合干渉が歯列内に存在すると、片側的な咀嚼運動パターンが習慣化(偏咀嚼化)して、さらに不正咬合を助長してしまう場合もあります。

できるだけ早期に発見し、改善することが望ましいでしょう。

乳歯列期では、霊長空隙、発育空隙という言葉が存在するように、切歯部に歯間空隙がのある歯列が多く、叢生歯列の発現頻度は低いといわれています。口腔習癖に関連する乳歯列期の叢生歯列ならば、習癖の中止をはかりますが、この時期に将来の顎と歯の不調和の予測は難しく、一般的には経過観察にとどめます。正し、乳歯の早期喪失があり、永久歯列の空隙の縮小が起こる場合は、それを防ぐ目的で必要に応じた保隙処置を行います。

明日へ続きます。

参考文献 口腔の育成をはかる~こんな問題に出会ったら   生活者とともに考える解決法 佐々木洋先生ほか編の中から、嘉ノ海龍三先生の著作分 医歯薬出版 

2009年10月 8日 (木)

ほ乳瓶が止められません

本日は、田村文誉先生の著書『上手に食べるために 2』よりお届けいたします。

◇どうしたらいいでしょう?

Q:5歳ですが、まだほ乳瓶から水分を飲ませています。コップからではうまく飲めずに泣き出してしまいます。どうすればよいでしょう。

A:ほ乳瓶を使っている時の赤ちゃんの口の動きは、おっぱいを飲むときの『吸啜(きゅうてつ)』という動きです。つまり、顎をあけたまま舌を前後に動かし、乳首を口の奥まで引き込み、舌の動きで絞り出すようにして飲み込みます。

これは「乳児嚥下(えんげ)」という飲み方です。

赤ちゃんのころはこの飲み方で良いのですが、食べ物を食べるには、徐々に「成人嚥下」という飲み方に変わっていかなくてはなりません。いつまでもほ乳瓶を使っていると、この乳児嚥下を卒業しにくくなりますし、食べ物を食べることにも影響が出てしまいます。

そうはいっても、なかなかうまくいかないですよね。いきなりほ乳瓶をやめてしまって水分の摂取量が減ってしまっては大変です。経管栄養チューブや胃瘻などによって水分量が確保出来る場合は良いのですが、すべてを経口摂取しているならば、まずは水分量の確保を最優先に考えます。

つまり、ほ乳瓶をやめられないなら、当面はほ乳瓶からの水分摂取は続け。平行してスプーンやコップから水分を飲む練習を始めていきましょう。また、ストローは、コップから飲めるようになってから始めましょう。

ほ乳瓶を使っているうちは、ストローのような長い物をくわえさせると、乳児嚥下を誘発してしまうことがよくあるからです。

参考文献  上手に食べるために 2  田村文誉著 医歯薬出版

2009年9月 7日 (月)

丈夫で健康な赤ちゃんを産むために

本日は、医歯薬出版からの『ライフステージでわかる歯と口の健康ガイド』より菅野直之先生の執筆分よりお届けいたします。

~丈夫で健康な赤ちゃんを産むために~

◇プラークと全身の病気

口の中を手入れしないと、プラークと呼ばれる細菌やその細菌が出したものの塊が増えてきて、歯周病になることはよく知られています。しかしこのプラークや歯周病が全身にも悪影響をもたらすことは、あまり知られていません。

プラークの中の細菌は、毒素を出すことで歯肉を腫れさせたり、歯を支えている顎の骨を溶かすだけでなく、腫れた歯肉から菌が体の中に入り込んだり、炎症を引き起こす物質を出すことにより、全身にもさまざまな影響をおよぼします。

◇口の病気が赤ちゃんに

現在、このプラークや歯周病は、中・高年期の糖尿病、動脈硬化、膵臓癌、肺炎の原因になることがわかっています。また、女性では、お腹の中の赤ちゃんに悪影響をもたらす事も知られています。

妊娠すると、つわりの影響や生活習慣の変化から口の中の手入れが思うように出来なくなり、プラークが増えて歯周病が進みやすくなります。

しかし、このプラークや歯周病をそのままにしておくと、腫れた歯肉が作り出す炎症を起こす物質が、子宮収縮の引き金になると考えられています。その結果、歯周病の妊婦さんは健康な歯肉をもつ妊婦さんに比べ、早産・低体重児出産が多いこともわかっています。

早産・低体重児出産では、生まれた赤ちゃんにさまざまな問題が起こる可能生が高く、大人になってからも生活習慣病になりやすいことが知られています。

早産・低体重児出産の原因として、これまでは人種、年齢、喫煙、経済状態、栄養状態、生殖器感染が考えられてきましたが、近年、歯周病もそのひとつであることが明らかになってきました。

◇健康な赤ちゃんを産むためには

歯周病は予防や治療が可能です。歯周病をもつ妊婦さんも、安定期の早い段階で歯周病の治療を受ければ、早産・低体重児出産の割合は減少することが報告されています。日頃から歯肉の健康に気をつけ、妊娠がわかったら歯科医院で早めに口の中の検診を受けてください。

歯周病をもつ妊婦さんの治療は、歯磨き指導や歯石を取る簡単な処置が中心です。安定期で全身状態に問題がなければほぼ安全に治療ができます。歯周病だけではなくむし歯の治療なども安定期であれば可能です。

口の中に不安を抱えている人は、ぜひかかりつけの歯科医院で相談してください。口の中の健康に気を配ることは、ご自身だけではなく、生まれてくる赤ちゃんの健康にもつながります。