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しろくま先生のブログ
しろくま歯科医院より歯にまつわる楽しいお話や、
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当院では、心停止の救命措置に必要なAED(自動体外式除細動器)を設置しております。

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2017年7月 3日 (月)

統一見解はたぶん一生出ない

先日、何年かぶりに懐かしい患者さんが来院されました。
来院目的は右上の歯に穴が開いてしまったために応急処置的に塞いで欲しいというものでした。
週末に旅行に出かけるために痛みが出たら嫌だからという理由で。
で、その患者さんのお話を聞いているうちにとても気の毒になってしまいました。
その患者さんは噛み合わせが悪く、とても悩んでいて全国の有名な歯科医師を巡っているらしいとの事でした(しかも高額な治療費も支払っているみたい)。
歯科医師の立場から言わせて頂くと、とても患者さんには申し訳ないのですが、噛み合わせの定義や流儀というのは星の数ほどあり、そのほとんどが宗教の様になってしまっているのが現状なのです。
どれが正解というわけではありません。しかし、これは駄目だろうっていうのは確実にあります。
もちろん私にも信じて疑わない噛み合わせのメソッド(噛み合わせ)があります。
私はこの噛み合わせを信じて疑わないけど(多種多様な噛み合わせを勉強してきてたどり着いた)、他のメソッド(噛み合わせ)でも、信じて疑わない歯科医師の方々が沢山いて、多くの成功を収めています。
その患者さんが不幸なのは、次々と歯科医師を渡り歩いてしまったために、口の中に状況が悪化してしまっていると言うことです。ある歯科医師は歯を削って噛み合わせを合わせようとするし、ある歯科医師はマウスピースで改善しようとするし、ある歯科医師は矯正で治そうとするし、またある歯科医師は被せ物(セラミック等)で噛み合わせを改善しようとするし。
もっとシンプルに一つの所にとどまってじっくり治療をしていれば・・・・なんて考えてしまいます。
しかし、今回のこの患者さんが不幸なのは、「これで治療は終了です」って言われたことなのです。
明らかに歯科医師の患者さん放棄。
どう見ても噛み合わせが狂っている。その根拠は上下の歯が噛むべき歯どうしで噛み合っていない(苦笑)。しかも来院理由の様に歯に穴が開いてるし、前歯も噛み合っていない(アンテリアガイダンスの喪失)。
ちょこっとこういった説明をしたら、かなりショックを受けていました。
しかも、あまり患者さんに詳しく口腔内の状況が説明されていないらしく、なぜ噛み合わせが悪いと顎まで悪くなるのかが理解出来ていないようでした。
全国の歯科大学および歯科医師会、および学会で統一した噛み合わせの見解(ガイドライン等)が出れば良いのだろうけど(例えばインプラントの様に)、恐らく噛み合わせに関してはたぶん一生出ないと思います。残念だけど。

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