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しろくま先生のブログ
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2009年4月18日 (土)

加齢による変化1

本日から2日間にわたり、戸田恭司先生、森下真行先生の著・編『口腔ケアでいきいき』よりお届けいたします。

◇加齢による歯・口腔の変化

1:歯・歯肉

①齲蝕、歯周病などによって歯は喪失します。しかし、加齢だけでは歯は失われません。年をとるのは自然の摂理ですが、歯と喪失はイコールではありません。

歯を失うのは自然なことではなく、病的なことです。現在では、国が提唱した自分の歯で食事が出来る状態を長く続けること、すなわち80歳で20本の歯を保つ「8020運動」がだいぶ国民に浸透しています。

歯の喪失は口腔ケアで予防することが出来き、80歳で20本の歯を保つことが実現可能です。

②歯先の咬耗

上下の歯が噛み合わされることにより歯先(咬合面や切縁)が自然に少しづつ咬耗して行きます。食生活(硬質食や硬異物混入など)や歯ぎしりにより「すりへり」速度が速くなるといわれています。

③歯肉の退縮

歯周病にかかっていたり、加齢現象により歯肉がやせてきて、歯の根が露出する状態を退縮といいます。歯と歯の隙間が広がったり、冷たい水がしみる知覚過敏の原因にもなります。

④根面齲蝕

歯周病や加齢により歯肉の退縮(やせる)が起きてきますと、歯根部が露出します。この部分は象牙質やセメント質で出来ており、エナメル質に比べ齲蝕が発生しやすくなります。

⑤楔状欠損

咬合力によって歯頸部に力が集中し、それがさらにブラッシングによって剥がされることにより楔状欠損が生じると考えられています。

2.口唇

口角炎、口唇炎が繰り返し再発しやすくなります。

3。咀嚼

『普通に噛める』グループと『普通に噛めない』グループに分け、老化目安調査の簡易法として「開眼片足調査」(目を開け、何分片足で立てるか)を調べたものです。明らかに「普通に噛める」グループの方が、老化が遅いことが分かりました。また、体重、握力なども「普通に噛める」グループが勝っていることが分かります。

4。摂食・嚥下

加齢と共に舌や頬、喉頭・咽頭の反射が鈍くなります。その結果、食塊形成や嚥下がスムーズに行かなくなります。また、脳血管、神経など中枢性の疾患により、摂食・嚥下機能の低下を来しやすくなります。

5。口腔粘膜

加齢に伴い、粘膜下の脂肪組織の減少、歯の喪失、顎提(歯が抜けた後の歯肉の部分)吸収により老人様顔貌となります。また、粘膜表面の萎縮により、平滑化→滑沢となります。

粘膜角化層の非薄化→慢性炎症→潰瘍→口内炎となりやすいことも加齢変化の一つです。

明日へ続きます。

参考文献 口腔ケアでいきいき 戸田恭司・森下真行 著・編 医歯薬出版  

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