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しろくま先生のブログ
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2007年5月16日 (水)

歯磨き粉の量は?

今回は、波多野尚樹先生の著書「歯から始まる怖い病気」からお送りします。

大量に歯磨剤を使うと歯が悪くなる?

歯を守るには、とにかく歯を丁寧に磨くことです。食後、食前、就寝前と気が付いたら歯みがきをすつ習慣を身につけるだけで、バイオフィルム(虫歯菌の塊)を取り除くことができます。

この場合、注意しなければならないことがあります。

日本人は歯磨剤が好きなようで、年間の使用量は70576トンで、世界でも有数の歯磨剤大国です。

しかし、本当に歯を大事にしたいと思ったら、歯磨剤を大量に使わないことです。

歯磨剤をいっぱい付けて使う人ほど、歯が悪いのです。

歯科剤の中身は、大部分が糊(のり)でそれに炭酸カルシウムやリン酸カルシウム、塩、アパタイトなどの研磨剤の成分が混ぜてあります。これに、界面活性剤、保湿剤、結合剤、発泡剤、香料、色素などを加えて販売されています。

ペパーミントのさわやかさと発泡剤の泡で口の中が満たされると、もう充分にブラッシングした気分になって歯みがき時間が短くなってしまいます。

最低、10分は磨かないと細菌の除去は難しいのに、短時間で歯みがきが終わってしまうので、当然磨き残しが出ます。本人にとっては口の中はさわやかな気分なので、磨き残しに気が付かない。これが問題なのです。

もちろん、歯磨剤はまったく効能がないわけではないのです。

歯に付いた茶渋やたばこなどステインと呼ばれる着色しみを削り取るには、歯磨剤を使用すると良く取れます。

しかし、あまり大量に使うと歯が削れてしまうので、歯ブラシの先端にせいぜい枝豆一つ分程度で充分で、それ以上使う必要がないのです。

虫歯や歯周病は感染症なので、もし細菌をコントロールしようと思ったら、抗生物質や殺菌剤で菌の動きを封じ込めるしかありません。

ところが、口の中には悪い菌だけが住んでいるわけではなく、人間に有益な菌もまた数多く生息しています。もし、殺菌剤を口に入れてしまうと、悪い菌は死ぬかもしれませんが、有益な菌も死んでしまいます。

舌や食堂などの軟組織も同時にダメージを受けてしまうでしょう。

細菌は微妙なバランスを保ちながら生きている

仮に100種類の菌が生息しているとして、ある種の細菌に効果のある抗生物質を投与すると、その細菌は死ぬかもしれませんが、口腔内の細菌のバランスが崩れて、もっと別の悪さをする細菌が勢力を伸ばしてしまうかもしれません。もしくは、抗生物質に抵抗性のある耐性菌が出来てしまったら、もはや駆除することは出来なくなります。

つまり、毎日習慣的に薬物を使うと、思わぬ病気が発症しないとも限らないのです。しかも抗生物質は医師の処方箋が必要なので、歯磨剤の中には入れることは出来ません。

つまり、歯磨剤には細菌に対して効果があるものは、一つも入っていないということになります。

しかし、歯磨剤で歯を磨くと、ペパーミントの香りが口いっぱいに広がり爽快感を感じます。口の中がすっきりした感じがして、歯を磨いたという達成感さえ感じます。

実は、これが問題なのです。

歯を磨く目的は、あくまでも歯と歯の間や、歯肉との境目のプラークを取り除くことなのですが、ペパーミントの刺激によって、唾液腺が刺激され大量の唾液が出てくるのでゆっくり歯を磨いていられないのです。

歯を一本一本丁寧に磨かなければならないのに、発泡剤で口の中は泡だらけ、ペパーミントの香りだけで気分はすっきりになる。歯をしっかり磨いたわけではないのに、気分だけは歯みがきをしたいという達成感があるという状況が起こっている。

歯磨剤を使うのは、歯に着色したステインを落とすときと、ニンニクなどにおいの強い食品を食べた後のエチケットのときだけで、後はごくごく少量にすることが、歯を守る秘訣であります。

参考文献 歯から始まる怖い病気 波多野 尚樹著 祥伝社

歯磨剤を少なくしていました。
良かったです。


私は『パックス石けんハミガキ』という、合成界面活性剤を使用していない、比較的成文の少ない歯磨き粉を利用しています。
しかし毎回使用量が多いので、気をつけたいと思います。


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