噛む健康学11
昨日に引き続き、「噛む事による肥満防止」です。
昨日のおさらい。
食物を噛んでいくと、それによる筋肉の動きや刺激により、歯と骨をつなぐ歯根膜へ伝達され、されが脳から神経性ヒスタミンという物質が生成され、この物質が満腹中枢を刺激すると言うことでした。
本日は、「噛む事により、内臓脂肪を分解できるのか」と言うことです。
噛むという行為は、体に蓄積されてる栄養、特に体脂肪の分解を促進させ、活動のためのエネルギーに転換する事を可能にする「引き金」として肥満防止に有効であることが判っています。
激辛、熱々の鍋焼きやラーメンを食べると、誰でも汗ばみます。食物の温かさや唐辛子のカプサイシンなどが、体温を上昇させるからです。
しかし、冷麺や冷やし中華などを食べても、体が温まる経験をした事はないでしょうか?
実は、どのような食事をしても、よく噛むだけで、酸素消費量が急上昇して、体が温まるのです。
これを「食事による体熱産生反応」と呼びます。
噛むことによる感覚情報はすべて脳に伝達され、神経性ヒスタミンは量産されることは既に述べましたが、この神経性ヒスタミンによって、交感神経の活動を調節している脳中枢が活性化され、全身のエネルギー代謝が促進されます。従って、、冷たい物を食べても酸素消費量が増加し、体温も汗ばむほど上昇するのです。
体内の脂肪が燃焼して消費エネルギーが多くなり、体内に蓄積されるエネルギーが少なくなりますから、贅肉がとれてスリムな体に向かうということです。
斉藤先生は更におもしろい話を続けます。
例えば、山で食物を持たないで遭難した場合を想定してみましょう。
このような時に、動き回りすぎて体力を消耗させないこと、体温の低下を防ぐこと、眠らないことが大切だとよく言われます。
そこで、斉藤先生からのアドバイス。
食物が無くなったら、まず、ベルト、タオル、靴、ひもなど、噛める物ならなんでもいいですからそれを「懸命に噛むこと」。すると、「噛む」ことで、体熱産生反応が発動し、自分の体内に備蓄している脂肪や糖質を燃焼させて、体温の低下を防ぐことが出来るというのです。
このような場合、肥満体の人の方が、「携帯食」をたくさん持ち歩いているのだといえるのだと思います。
動物の場合、胃袋が空っぽの飢えた動物は、獲物を見つけて飛びかかってきますが、相手に噛みつくことにより、体内に蓄積されている糖質や脂肪を血液中に放出させ、激しい運動を可能にするエネルギーを作り出しています。
「噛む」事により、体内脂肪を消費出来るというのは、このような秘密があったのですね。
参考文献 よく噛んで食べる 斉藤滋 NHK出版
困った時、食物の無い時、何かを噛んでいると、
体温の低下を防げる、知りませんでした、
暇な時、力ずよく、パクパクしていましょう。
紫花さま
コメントありがとうございます。
私もブログを書きながら勉強になることがたくさんあります。これからも応援よろしくお願いします。